2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K00288
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森岡 卓司 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (70369289)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 地方文化運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北を含む「地方」に言及しながら〈日本〉を表象する1950から70年代の言説の特質について、映像メディアなどの同時代的なモチーフを視野に入れながら明らかにする、という今年度の目的に即して、2022年9月16日、17日の両日、コラッセふくしま(福島市)を会場に、東北の美術史、写真史を専門とする講演者を招いて、次世代研究者ワークショップ「〈地方〉再考」を開催(共催)した。東北地方はもとより、東京、広島など全国の大学、大学院から70名に迫る来場参加者があり、オンラインでも40名近くが参加するという大規模な会合となった。会場では、1950年代から現代に至るまでの地方(東北)表象について、文学のみならず写真、演劇などの分野にもわたる、さまざまの議論がかわされた。 資料調査としては、全国学会に積極的に参加して情報交換を行うほか、青森県立美術館、青森近代文学館をはじめとした地方施設、関係者への訪問調査、図書館での調査などを通して、主として山形と青森の戦後開拓史と基地運動に関わる資料の収集につとめた。 その他にも、関連文献やイベントの解説記事を学会誌に執筆する、戦後地方文化運動、東北地方に取材した戦後文学作品など、本研究課題に関連する事項の事典解説を複数書籍に執筆する、地方表象に関わる展覧会に参加し一般向けの報告記事を地元紙に執筆するなどしたが、論文の形での研究成果公表については次年度に持ち越す結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究会を開催する他、調査旅行や学会出張を含む資料調査など、申請時点の計画書に記載した内容に即した活動を行い、資料的な成果もあがったが、成果として論文等にまとめて発表するには至らず、これを次年度の課題としたことで、「やや送れている」の評価とした。次年度を期したい。
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Strategy for Future Research Activity |
公開の研究会開催を続けるほかに、より専門的な知識を持った少人数の研究者によるクローズドな研究報告会を立ち上げ、密な情報交換につとめることとする。資料調査については、インタビュイーに予定していた対象者に事情が生じ実施に困難が見込まれるため、この代替策を検討し、場合によっては文献調査によって補う必要がある。
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Causes of Carryover |
専門的知識の提供(インタビュー、講演謝金)に関わって、予定対象者に困難な事情が生じたこと、研究成果発表(学会出張費等)の主要な部分が次年度に持ち越されたことを主たる理由として、当該年度直接経費の3パーセント程度ではあるが誤差が生じた。前者については次年度文献調査で補い、後者については次年度に研究成果発表を行うことで使用する計画である。
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Research Products
(4 results)
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[Book] 坂口安吾大事典2022
Author(s)
安藤宏・大原祐治・十重田裕一(編集代表)
Total Pages
828
Publisher
勉誠出版
ISBN
9784585200796