2023 Fiscal Year Research-status Report
古英語作者不詳聖人伝作品群における女性像:テクストと言語の基礎的研究
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22K00386
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
島崎 里子 昭和女子大学, 文学研究科, 准教授 (90276618)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 古英語 / 聖人伝 / 女性像 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
二年目となる令和5年度は、古英語期の英国における作者不詳の聖人伝作品群について、関連資料を収集し、写本、既存の刊本(diplomatic editionの有無)、ラテン語原典に関する最新の情報等が盛り込んだカタログ・データベースの編集および作成を実施するなど、前年度から行ってきた課題研究の基盤整備を継続して行った。これは、女性聖人伝における古英語作家たちの女性性の扱い方に焦点を当て、ヨーロッパ大陸に由来する女性像が英国内でどのように受容され、独自の変容を遂げていったのかを、ジェンダー視点から分析するための基礎資料となるものである。 その作業と並行して、昨年度までに作成したデータベースを利用し、作者不詳の聖人伝の中から、特に女性聖人を扱った作品を抽出し(具体的には、Saint Mary of Egypt, Cotton MS Julius E. vii, ff. 122v-136r, British Library)、当該作品について原写本の現地調査を実施した上で、新たな電子テキストを編纂する作業にも着手した。 加えて、このテキスト編纂作業の過程で明らかとなった、既存のテキスト(Skeat, 1881-1900 および Magennis, 2002)との相違点や、それに対する修正提案等のリストを作成して、次年度以降の論文作成のための準備も進めている。 その一方で、昨年、大英図書館に対して行われた大規模サイバー攻撃の影響で、現在も関連資料の閲覧制限が続いていることから、当初に予定していた計画に遅れが生じる結果となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
海外図書館所蔵の原写本調査を受けて、電子テキストの編集作業に着手したが、昨年からの大規模サイバー攻撃の影響で、必要とする大英図書館のオンライン資料が閲覧できない状態が続いており、作業に大幅な遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、女性を題材とする作者不詳の聖人伝作品群の電子テキスト編纂作業を継続、完了させると共に、エルフリックや初期のアングロ・ラテン作家らのテクストとの比較作業にも着手する計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、初年度に予定していた海外図書館での原写本調査を見合わせたことで、その分の旅費予算が繰り越されている。次年度以降に現地調査を行い、遅れているテキスト編纂作業を進める予定である。
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