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2022 Fiscal Year Research-status Report

When Orientalism Met Modernism: Visions of the Irwin Brothers's Asia

Research Project

Project/Area Number 22K00408
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

宇沢 美子 (富島美子)  慶應義塾大学, 文学部(日吉), 教授 (00164533)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsオリエンタリズム / モダニズム / ウォラス・アーウィン / ウィル・アーウィン / ジレット・バージェス / ノンセンス詩
Outline of Annual Research Achievements

本研究は20世紀前半に活躍したウォラス・アーウィン、ウィル・アーウィンならびにノンセンス詩人ジレット・バージェスを中心に、文学・演劇のオリエンタリズムとモダニズムがどのように交差したかを探ることを目的とする。異人種装による擬似日本人新聞コラムの作者として、また20世紀前半を代表するジャーナリストとして、ノンセンス詩人としての側面は研究対象となってきたが、この三人のそのほかの仕事はいまだ埋もれたままである。モダニズムの詩といえばイマジズムやエリオットの『荒地』のようなコラージュ様式をもつ引用詩が注目されてきたが、本研究はそれとは異なる「アジア」との邂逅を果たした彼らの多言語的で、視覚芸術とも絡む実験性の文学的意義を問う。
研究一年目は、カリフォルニア大学バークレー校バンクロフト図書館に所蔵されているウォラス・アーウィン資料ならびにジレット・バージェス資料の調査を開始した。本来なら2年目以降に予定されていたバージェス資料調査を並行して開始したのは、COVID19が長引くなか大学から海外滞在の日数の制限が課されたなかでも資料調査となったため、膨大な両資料のなかのいくつかのファイルやボックス資料をピンポイントで調査するに止まらざるをえず、ピンポイントで資料収集がしやすいバージェス資料の研究を予定より先行させることになった。次年度に予定するウォラス・アーウインとバージェスのノンセンスな味わいをもつ詩作品についての比較検討の準備を整えることができた。また資料調査のほかに、ウィル・アーウインの中国古典の英語翻訳劇『琵琶記』(1946年初演)に登場するThe Property Manといういわゆる「黒子」の存在の、アメリカ演劇における前史の研究をまとめ、広東オペラの技法を取り入れた初のアメリカ演劇The Yellow Jacket (1912初演)を中心に論じ学会発表を行なった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

COVID19の蔓延により、予想よりはるかに制約された時間のなかでのアーカイブ資料調査となったため。2年目と1年目の計画の一部を入れ替え、またデジタルアーカイブ化された(新聞を含む)諸資料を積極的に使い制限された時間内での最大限の資料収集を終えたものの、そのため1年目に予定されていたウィル・アーウィンのアーカイブ資料調査を2年目に回すことになった。

Strategy for Future Research Activity

研究2年目は、1年目に収集した資料に基づき、ウォラス・アーウィンとジレット・バージェスの(小)アジアをめぐる詩(特に『ルバイヤート』をもじったノンセンス詩作品)、シェイクスピアについてのバーレスク作品や批評を中心に比較検討をする。特にバージェスに関しては、児童文学との絡みから児童文学雑誌『セント・ニコラス』誌(慶應義塾大学図書館蔵)の作り上げた多様な児童像を参照枠とし、彼のノンセンス児童文学の特異性の分析を進めたい。
また本2年目および3年目に、先送りになってしまった、スタンフォード大学所蔵、イエール大学所蔵のウィル・アーウィンのアーカイブ資料の資料調査を行う。加えて、雑誌や新聞に掲載され単行本化されなかった埋もれた作品の発掘および、彼の翻訳中国劇【琵琶記』の分析を進める。中国京劇のアメリカにおける伝統、ならびにアジアをめぐるアメリカのミュージカルの流れの交差点に『琵琶記』をすえ検討したいと考えている。

Causes of Carryover

新型コロナウィルス感染予防のため、本務校から許可のでた海外調査研究の日数が限られたため、バークレー滞在が実質3日となったため旅費が計画より少なくなった。また海外の本屋で購入した資料があったが、日本に届いた日程が遅く書類も足りなかったため、請求できずに終わってしまった。今年度は海外旅費(スタンフォードおよびイエール大学)を計上し、また日本の本屋を通して書類等を整え書籍を購入し、消耗品費として計上する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] The Yellow Jacket; and Asian Theater as Techne2022

    • Author(s)
      Yoshiko Uzawa
    • Organizer
      アメリカ学会年次大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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