2022 Fiscal Year Research-status Report
創作へのインセンティブと著作権――ケーススタディに基づいた歴史的視点からの研究
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22K00419
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
園田 暁子 福岡大学, 人文学部, 教授 (00434564)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 著作権 / フェビアン主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、著作権をめぐる議論が活発に行われ、法改正や国際条約の制定も行われた19世紀から20世紀後半の時代に力点を置きつつ、17世紀以降今日に至るまで、何が文学者の創作への原動力となったのか、そしてそれぞれの時代の著作権法は彼らのインセンティブを高めることが出来たのかについて、文学者に着目したケーススタディを行い、文学者と著作権の関係についての具体的で包括的な研究にまとめることを目的としている。 本研究の初年度である2022年度には、19世紀後半から20世紀の前半にかけて活動した文学者についてのケーススタディを行った。この時代は、英国国内では、出版から42年もしくは、著作者の死後7年までのいずれか長い期間、著作権を保護することとした1842年の著作権法改正の後、1911年に著作権法が改正されるまで、著作権の保護期間においては大きな進展はなかったものの、二国間条約や多国間条約により、国際間の著作権も保護されるようになってきた時代である。また、財産の所有の形と社会との関係について、広く人々が関心を持ち、議論が行われてきた時代でもある。このような時代の中、ジョージ・バーナード・ショウ、H. G.ウェルズなどのフェビアン主義者、ウィリアム・モリス、ジョージ・オーウェルなどの社会主義的思想を持っていた文学者たちが、所有権の一形態である著作権についてどのようにとらえ、創作活動を行ったかについて、ケーススタディを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究を概ね行うことができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度も引き続き、当初の計画通り、19世紀後半から20世紀前半に活躍した文学者について、女性の作家たちに目を向けてケーススタディを進めていきたい。
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Causes of Carryover |
2022年度の後期には、国内研修で、九州大学に受入れて頂いた。九州大学で利用可能なオンライン資料を活用することで、当初、必要になると考えていた論文や当時の新聞の文献複写にかかる費用を抑えることができた。今後、個人での契約が可能で研究に有効なオンライン資料等のサービスについては利用する形で予算を有効に活用していきたい。
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