2022 Fiscal Year Research-status Report
イギリス文学は慈善をいかに表象してきたか――19世紀半ばから20世紀初頭を中心に
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22K00431
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
浦野 郁 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (80612746)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | チャリティ / フィランスロピ / 慈善 / 博愛主義 / Marianne Thornton / Howards End |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象として設定した時代におけるチャリティ実践の現状を知るため、歴史的事実について書かれた研究書を中心に読解した。また、近年文学研究の場においても大きな注目を集める「ケアの倫理」と本研究には関連があると思われるため、その方面の文献読解も行った。 これと並行して、申請者がこれまで研究の中心に据えてきたフォースターの各作品において、チャリティへの言及がどのようになされてきたかを確認した。大叔母の伝記Marianne Thornton (1956)を取り上げ、クラパム派の一員として大きな社会的影響力を持ったソーントン家についての記述から、19世紀的な博愛主義の思想が、20世紀初頭の観点からどのように描き出されているかを考察した。また、チャリティへの言及があるHowards End(1910)については、研究者としての視点からだけでなく、新たに一般読者を獲得すべく翻訳作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Howards Endの翻訳作業に時間を取られ、その他の文献読解がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
チャリティ及びケアを巡る文献については、一年目に読み切れなかったものを引き続き読解していく。Marianne Thorntonの読解についても、自身が主宰しているフォースター研究会で引き続き読んでいく。また、元々二年目に考察するはずだったチャリティの場における女性の役割について文献読解を行うと共に、慈善活動への言及がある文学作品の例も増やしていく。
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Causes of Carryover |
文献読解に多少の遅れが出たため、書籍の購入総額が予定を下回ったことによる。今年度は昨年度分の遅れを取り戻すべく主に文献の購入と読解を行う予定だが、必要に応じて国内外への出張も検討する。
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Research Products
(1 results)