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2022 Fiscal Year Research-status Report

A Comprehensive and Illustrative Study of Modern English Literature from the Transatlantic Point of View

Research Project

Project/Area Number 22K00432
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

原田 範行  慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (90265778)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywordsイギリス文学 / アメリカ表象 / 大西洋往還 / 植民地 / アメリカ独立戦争 / 旅行記 / ゴシック・ノヴェル / センチメンタル・ノヴェル
Outline of Annual Research Achievements

本研究1年目にあたる2022年度は、近代英文学における環大西洋的視点構築のための基盤となる記録(公文書や実録旅行記など)やフィクションの作品群を、18世紀前半から19世紀前半の約100年にわたって、300点ほど収集・整理し、本研究遂行のための基礎資料とした。この収集・整理の作業は、国内にあっては、主にEEBOやECCOなどの電子データベースを活用し、英国にあっては、大英図書館の所蔵資料を活用した。これに伴い、23年3月には、科研費による英国出張を実施した。収集・整理した300点の資料には一般的な公文書も含まれているが、定期刊行物の記事や論説、一般読者を想定した実録およびフィクションの旅行記、英米を舞台として往還する小説群、および英米を舞台とした韻文作品群が多くあり、これらの資料について、現在、それぞれの記述の具体的事情を詳細に調査しつつ、分析を進めているところである。18世紀後半から19世紀にかけての資料群には、いわゆるゴシック・ノヴェルやセンチメンタル・ノヴェルなど、従来からイギリスおよびアメリカ文学史で検討されてきた諸作品も含まれるが、それよりもはるかに多くの周縁化された作品群、つまり同時代読者を多く獲得しつつも、数年後にはほぼ看過されるようになったものがあり、分析の進捗により、既存の文学史的枠組みの再検討に重要な貢献ができるとの見通しを有するに至った。研究成果の一部は、すでに2022年度において論文等の形で公刊するに至っているが、主要部分については、予定通り、23年度以降の分析を経て発表することとしている。なお、22年度に収集・整理した資料は、主にイギリス側の資料に基づいていることから、23年度には、アメリカ側からの検証が求められよう。これらも含めて、23年度も予定通り、研究を遂行できるものと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「研究実績の概要」に記した通り、本研究1年目にあたる2022年度においては、研究計画をほぼ予定通り遂行することができた。航空運賃の高騰により、イギリスでの資料調査に伴う予定滞在日数を縮小するなどの対応を迫られたが、データベースを利用した分析(特に18世紀段階での大西洋往還にかかわる資料類を対象としたもの)をやや先行させる形で研究を遂行しており、23年度以降も、当初の研究計画を予定通り進めることが可能であると判断できる。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題の遂行は、最終年度である2026年度まで、予定通り実施することができると考えられる。したがって、現在の段階では、特段の研究計画変更を想定してはいない。海外研究者を交えた国際シンポジウム開催にあたっても、目下のところ、大きな支障はないと考えている。なお、資料の収集と分析の進展に伴い、これを適切に、そして効果的に保存すること、また資料分析と検証の過程で海外研究者とのさらなる情報交換・研究交流の必要などが生じてくる可能性があるが、これらについては、研究計画の枠組みに大きな変更を加えることなく、利用可能なICTなどに習熟して適切に対応したい。

  • Research Products

    (9 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (5 results) (of which Invited: 3 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] サミュエル・ジョンソンの夢―ジェフリー・チョーサーとイギリス18世紀2023

    • Author(s)
      原田範行
    • Journal Title

      藝文研究

      Volume: 123-3 Pages: 42-55

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] アンカとエメラの大西洋往還―イギリス文学における独立戦争前夜のアメリカ表象2022

    • Author(s)
      原田範行
    • Journal Title

      十八世紀イギリス文学研究

      Volume: 7 Pages: 92-108

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] <ポスト><ウィズ>コロナ時代の英語英米文学研究―デジタル・ヒューマニティーズに向けて2022

    • Author(s)
      原田範行
    • Organizer
      日本英文学会第94回全国大会特別シンポジウム
  • [Presentation] 合同前後のアイルランドをめぐって―言語、ジェンダー、自然2022

    • Author(s)
      原田範行
    • Organizer
      第54回日本ジョンソン協会大会
  • [Presentation] 蘇るちりめん本の魅力―東京女子大学ちりめん本コレクションに見る日本の伝統と国際交流2022

    • Author(s)
      原田範行
    • Organizer
      東京女子大学比較文化研究所公開講演会
    • Invited
  • [Presentation] 環境文学としてのジョージ・エリオット作品―家屋、小屋、風景2022

    • Author(s)
      原田範行
    • Organizer
      日本ジョージ・エリオット協会第25回全国大会特別講演
    • Invited
  • [Presentation] 独立と環大西洋交流の諸相―Wielandを読む2022

    • Author(s)
      原田範行
    • Organizer
      科研費研究会「間大陸的ゴシックーC・B・ブラウン再読」基調講演
    • Invited
  • [Book] 感受性とジェンダー―<共感>の文化と近現代ヨーロッパ2023

    • Author(s)
      小川公代、吉野由利、河野哲也、森田直子、大河内昌、犬塚元、井上櫻子、川津雅江、土井良子、原田範行、大石和欣
    • Total Pages
      308
    • Publisher
      水声社
    • ISBN
      978-4-8010-0713-0
  • [Book] 書くことはレジスタンス 第二次世界大戦とイギリス女性作家たち2023

    • Author(s)
      河内恵子 、麻生えりか 生駒夏美 遠藤不比人 松本朗 原田範行 秦邦生
    • Total Pages
      256
    • Publisher
      音羽書房鶴見書店
    • ISBN
      978-4-7553-0436-1

URL: 

Published: 2023-12-25  

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