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2022 Fiscal Year Research-status Report

20世紀前半のイギリス商業演劇とその国際的影響関係に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22K00441
Research InstitutionKobe Pharmaceutical University

Principal Investigator

赤井 朋子  神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (70309433)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsイギリス演劇 / シンガポールの英語演劇 / アマチュア劇団
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、20世紀前半にロンドンのウェスト・エンドにおいて多く上演された客間喜劇と呼ばれる種類の演劇が、非西洋文化圏(特にシンガポール)においてどのように模倣され現地の文化に適合していったのか、また、それぞれの国のアイデンティティ構築にどのように関連していたのかについて、探究することである。
1年目の2022年度は、シンガポールが独立する1960年代に、それまで英語で教育を受け英語でイギリス演劇を受容してきた、特にイギリス留学経験のあるアジア系シンガポール人が、英語で自分たちの演劇を作るようになったときに、英語やイギリス演劇のどの要素を取り入れ、どの要素を取り入れなかったのか、また、そのような文化の移入のしかたが、作品の上演された時代や場所とどのように関連していたのかという問題について探究した。
具体的には、アジア系シンガポール人による最初の英語演劇と言われるリム・チョーピー作『ミミ・ファン』(1962)に焦点をあてて研究を行った。『ミミ・ファン』は、シンガポールを舞台にシンガポール人のアイデンティティの問題を扱った最初の劇であると言われる一方、作品の構成や言語的特徴など作劇術の面では、イギリスの風習喜劇やウェルメイド・プレイのようなジャンルの作品に近いことが指摘されている。2022年度はそのような劇が生み出された理由や背景を探ることにより、国境を越えた文化の移動の様子をいくらかでも明らかにすることを目的とした。具体的には、作品の上演された劇場(カルチュラル・センター)やそれを取り巻く環境、特に現地在住イギリス人によるアマチュア劇団とアジア系アマチュア劇団との接点を中心に調査研究を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度はまだコロナ感染が急拡大することもあり、海外渡航に伴うリスクも大きかったので、海外出張による現地での資料調査は見送ることにした。しかし、交付申請書に記した3年間の計画内容のうち、国内でも行える調査を優先的に行うことにより、おおむね順調に研究を進めることができた。
例えば、作品が上演された劇場については、研究を始めた最初の頃はほとんど情報がなく見当もつかない状態であったが、オンライン検索により、開場当時の新聞記事や上演作品に関する劇評などを(限られた範囲ではあるものの)入手することができたため、先行研究を読んだだけではわからなかったいくつかの点が明らかになった。
また、シンガポール国立文書館のデジタル・アーカイブにオンラインでアクセスすることにより、『ミミ・ファン』の作者リム・チョーピーに関する詳しい情報を入手することができたので、現地在住イギリス人アマチュア劇団との接点についてその情報を整理し分析して、研究発表することができた

Strategy for Future Research Activity

2023年度は、現地在住イギリス人によるアマチュア劇団の上演実態を調査する。特に、20世紀前半のイギリスで多く上演され人気を博していた客間劇と呼ばれるジャンルのうち、シンガポールではどのような作品が好んで上演されていたのか、また、上演の様子がどのようなもので、どのような人たちが鑑賞していたのか、演技指導や演出はどのように行われ、それが現地アジア系の人たちにどのようなインパクトを与えたのか等、代表的なアマチュア劇団に関する一次資料を調査することにより分析する。
また、すでに口頭発表したものを元に、論文にまとめる予定でもある。

Causes of Carryover

当初の計画では、資料調査を行うためにシンガポールを訪れる予定にしていたが、上にも書いたように、2022年度はまだコロナ感染が急拡大することがあり、海外渡航についても帰国に関する制約があるなどリスクが大きかったので、海外出張は見送ることにした。そして、オンラインで入手できる資料をできるだけ利用するなど、国内でも実施可能な研究を優先的に行なった。そのため、出張旅費の分だけ次年度に繰り越すことになった。
次年度は、「今後の研究の推進方策」欄に記した課題に取り組むため、繰り越した旅費を利用してシンガポールで資料調査を行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] シンガポールで最初の英語演劇とアマチュア演劇クラブ2023

    • Author(s)
      赤井朋子
    • Organizer
      近現代演劇研究会共催 永田靖教授ご退職記念行事「演劇研究の未来」
  • [Presentation] The First English Play in Singapore and Its Relation to the Cultural Centre2023

    • Author(s)
      Tomoko Akai
    • Organizer
      TATPIS 2023
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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