2023 Fiscal Year Research-status Report
ディアスポラとしてのルーマニア・ドイツ語話者と文学ー世界への拡散・孤立化・連帯―
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22K00460
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤田 恭子 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (80241561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 道男 東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (20187769)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マイノリティ / ブコヴィナ / トランシルヴァニア / ディアスポラ / ナチズム |
Outline of Annual Research Achievements |
第一次世界大戦後にルーマニア領となった旧ハプスブルク帝国領ブコヴィナやトランシルヴァニア等のユダヤ系およびドイツ系ドイツ語話者住民は、後者がナチズムに同調したことで第二次世界大戦期にホロコーストの被害者と加害者となり、戦後は拡散と孤立の歴史を辿った。ユダヤ系の多くは南北アメリカ大陸やイスラエルなどに移住した。ドイツ系の多くはルーマニアに残留したが、1989年の東欧革命を経て、多くがドイツに移住した。 本研究の目的は、ユダヤ系ドイツ語詩人たちやドイツ系ドイツ語詩人・作家たちの活動について、文芸誌や文化誌、新聞の文芸欄ならびに遺品中の書簡等を精査し、作品創作と受容双方の視点から解明することである。 本研究では、藤田(研究代表者)と鈴木(研究分担者)が従来携わってきた研究テーマとの親近性に基づき、藤田がユダヤ系、鈴木がドイツ系詩人・作家を担当するが、相互に情報交換し議論を行っている。しかし2023年9月に、藤田がルーマニアのシビウおよびドイツのデュッセルドルフでローゼ・アウスレンダーの遺稿類等を調査する計画であったが、出発前に家族が緊急手術を必要とする負傷により入院加療となり、海外出張を断念した。またイスラエルが戦争状況となったため、イスラエルでの調査を控えた。研究分担者の鈴木は藤田の家族でもあるため、海外出張を断念した。そのため、令和5年度は古書の購入やデジタル資料を中心とする資料購入に切り替えざるをえなかった。 藤田は主にブコヴィナ出身のアルフレート・ゴングやローゼ・アウスレンダーに関する刊行資料の整理とデジタル資料の収集を行った。鈴木は、ルーマニアに残留したトランシルヴァニアのドイツ系住民の文化的アイデンティティを解明するべく、同地出身の作家エギナルト・シュラットナーの長編小説『首なし雄鶏』の翻訳と分析に携わっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染症対策として2022年秋まで海外での調査が制限されていたため、もともと遅れ気味ではあったが、2023年9月に、藤田はルーマニアのシビウおよびドイツのデュッセルドルフでローゼ・アウスレンダーの遺稿類等を調査する予定をたて、訪問先とも連絡し、準備をしていた。しかし出発前に藤田の家族が緊急手術を必要とする負傷により入院加療となり、藤田は海外出張を断念せざるをえなかった。またイスラエルが戦争状況となったため、イスラエルでの調査も控えた。研究分担者は藤田の家族でもあり、やはり海外出張を断念した。そのため、2023年度は古書の購入やデジタル資料を中心とする資料購入に切り替えざるをえず、本研究の海外調査に関しては、予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者は手術により快方に向かった。2024年度は特段の事情がなければ、イスラエルでの調査以外は研究計画に沿った実施が可能となる見込みである。イスラエルにおける現地調査については、情勢を注視したい。 また2023年度は健康状態など諸般の事情により研究成果の発信が不足したが、2024年度にはこの点を充実させる予定である。
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Causes of Carryover |
2023年9月に予定していた海外調査について、研究代表者の家族の入院手術と重なったため、急遽中止せざるをえず、前年度分の繰り越しも併せて、次年度に使用することとした。
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