2024 Fiscal Year Annual Research Report
The Influence of English "Anti-Modern" Utopian Literature on the 19th and early 20th century Japan
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22K00497
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| Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
清川 祥恵 佛教大学, 文学部, 講師 (50709871)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 英文学 / ユートピアニズム / ポストコロニアリズム / 反近代 |
| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度はとりわけ国際政治の領域において、これまでの世界の枠組みの急速な解体とその動きへの抵抗がせめぎ合うこととなった。「文学」は、ともすればこのような世界情勢とは切り離された「文化的営為」としてとらえられがちであるが、たとえ過去の文学作品であっても、読者が現代の文脈において作品を「読む」とき、そこにはあらたなコンテクストが発生することから、一九世紀的な近代批判は以前にもましてアクチュアルな意義を持ちうるものとなっている。ポストコロニアル的な読みへの熱狂自体は過ぎ去って久しいが、反動的コロニアリズムの時代にあって、ウィリアム・モリスの文学作品を例とするようなユートピア思想の形成ならびに受容過程はふたたび脚光をあびつつあり、本研究課題でも一定程度、その越境性と普遍性の解明に寄与することができた。その意味で、越境的な現象として反近代ユートピア二ズムの具体的な伝播状況の検証に焦点を当てるというよりは、むしろ英文学の枠内でのモダニズムの再検証と、その共鳴可能性の解明に注力する年度となった。 具体的には、植民地主義とモダニズムにかんして、ウィリアム・モリス - ジョウゼフ・コンラッド - T. S. エリオットの影響関係を明らかにする論考を、T. S. Eliot Review(日本T・S・エリオット協会) に掲載した。また、英国の植民地文化にたいする近現代の「利用」の一事例として、文学通信の論集にて「ジャガーノート」概念をとりあげた。さらに、これまで邦語においてまとまったものがなかったウィリアム・モリスの中世主義思想研究についての単著を晃洋書房より刊行した。くわえて、前年度に取り組んでいた西洋ユートピア言説としてのシュルレアリスムとの原民喜の共振についても論集の分担執筆分として刊行し、思想的枠組をとらえなおす一助とすることができた。
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