2023 Fiscal Year Research-status Report
Constructing phonological representation and deriving phonetic externalisation: investigating a unified mechanism of phonology, morphology and syntax
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22K00513
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Backley Phillip 東北学院大学, 文学部, 教授 (20335988)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 語内音韻構造 / 併合 / エレメント / 外在化 / 階層構造 / 語彙化 / 構造構築過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、言語能力の基本設計を再考し、①「語・形態内の音韻表示構築過程」と ②「言語構造の音声的外在化の仕組み」を解明することである。その結果もたらされる研究成果は、ヒトの言語能力の基本設計のみならず、言語運用能力、言語獲得過程のメカニズム、歴史的音韻変化の解明に大きく寄与するものと考えられる。 ①について本研究では、従来の研究と異なり,音韻表示も統語部門で構築されると考える。そして②についても、部門により異なるのではなく,統語表示の外在化過程と同じ仕組みで、音韻構造も音声的に具現化(例 線形化、強勢付与、分節音弱化)されると考える。本研究では、これらを理論的に明らかにすると同時に、諸言語の音韻現象を参照・分析し、考案モデルの妥当性を検討している。 「語・形態素内の音韻構造構築過程」と「言語構造の音声的外在化の仕組み」を明らかにし、かつ上記のモデルの妥当性を探るために、研究計画書に従い、研究代表者(A班)は、(i)様々な音韻現象を分析しながら、形態素内音韻構造を構築する併合操作の探求、およびその亜種の必要性の検討を今年度行った。他方、研究分担者(B班)は、(ii)形態素内音韻表示の線形化過程を明らかにするために、統語構造の線形化に関する諸理論の比較・検討を行った。いずれも、先行研究と最新の研究動向を把握した上で行われた。 (i)の調査研究により、以上の研究成果は、国内外の8つの学会、および4つの学術雑誌で発表された。また研究成果の中には、書籍の一章分にまとめられ発表されたものが6つある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染症拡大の影響で2022年度の研究はやや遅れていたが、2023年度はその遅れを取り戻し、ほぼ予定していた研究を行うことができ、それらの成果を国内外の学会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、本課題の研究を開始した当初に予定していた以下の研究を行う。
(i) 統語部門との構造上の整合性を追求するため、線形順序特性を完全に廃し、併合操作により構築される音節表示モデルにおいて、その併合の対象となる音韻範疇(phonological categories)の特定化を行う。 (ii) 昨年度明らかにした語順や分節音の順番を決める「線形化」の仕組みに加え、音韻表現に見られる「相対的卓立化」の解明を試みる。
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Causes of Carryover |
物品の購入価格が当初計画と異なっていたために次年度使用額が生じた。基本的に計画通りである。次年度使用となった分は、消耗品購入に当てる予定である。
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