2023 Fiscal Year Research-status Report
現地調査により残されたアイヌ語音声・筆録資料および未公刊論文等の横断的整理と公開
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22K00534
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
奥田 統己 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (60224151)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アイヌ語 / フィールド言語学 / アーカイブズ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究計画にそい、A東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所が所蔵する、アイヌ語沙流方言の単語・短文調査のフィールドノートおよびその他の調査記録のディジタル画像化を進めた。あわせてすでにディジタル化済みの同じ現地調査の音声資料のケース・ラベルの記載事項と録音内容の整合性を確認した。そのうえで、フィールドノートその他の調査記録と音声資料の相互の関連のデータベース化の仕様を検討した。B前年度に作成した未公刊のアイヌ語関係論文のディジタル画像に基づき、Aの資料との相互の関連性の把握を進めた。C話者の遺族と連絡を取り、資料の公開許諾の手続きを進めた。DABの調査を行った研究者による、関連する音声資料の文字化・訳および内容把握を進め、その成果の一部を東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所情報資源利用研究センターのWWWサービス上で「アイヌ語音声資料の文字化テキスト対応づけと公開」として公開した(「uwepekerウウェペケレ民話27」、「uwepekerウウェペケレ民話28」、「yukarユカラ英雄叙事詩2」)。また東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の共同利用・共同研究課題「アイヌ語現地調査資料のアーカイブズ構築にかんする学際的研究(2)」による研究会を2回開催し、「既刊資料と現地調査資料の齟齬について」ほかのタイトルで、以上の研究課題およびフィールド言語学にかんする研究資料アーカイブズのありかたについて討議し知見を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画にそってそれぞれの作業が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き当初の研究計画にそい、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所所蔵のアイヌ語調査のフィールドノート、同じ調査の音声資料およびアイヌ 語関係論文などのディジタル化と相互の関連性を把握する作業を進め、最終年度にあたる今年度での公開をめざす。また今年度から東京外国語大学アジア・アフリカ 言語文化研究所の共同利用・共同研究課題「アイヌ語現地調査資料のアーカイブズ構築にかんする学際的研究(3)」が始まるので、上記の作業にともなう 理論的・技術的問題さらに研究者アーカイブズにかんするより一般的な問題について、考察を進める。
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Causes of Carryover |
2022年度の研究開始よりコロナウィルス感染拡大に対応し慎重に研究を遂行したため未使用額が発生した。今年度は主にアイヌ語調査のフィールドノートおよびその他の調査記録の残る部分の ディジタル画像化と、これまでディジタル化を検討中だった音声資料のディジタル化、そしてフィールドノート、音声資料およびアイヌ語関係論文などの相互の関連性を把握する作業のために使用する。
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