2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K00562
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
森田 順也 金城学院大学, 文学部, 教授 (20200420)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 動詞化 / 語形成 / 創造性 / 統語‐形態インターフェース / 分散形態論 / 大規模コーパス / hapax |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子供による言語の獲得、とりわけ語彙の獲得の説明-子供が短期間に大量の語を獲得できるのはなぜか―を最終目標として、日英語の動詞化現象に焦点を当てて、そのメカニズムを明らかにするものである。子供が限られたデータを基にして短期間に言語を獲得するという事実を説明するためには、語彙部門を制限するとともに形態‐統語の相関関係を制約することによって、子供が覚えるべき語彙項目・語彙情報を最小限にする必要がある本研究では、「分散形態論」の文法モデルを基盤として、形態統語的現象の中心である動詞化(verbalization)のプロセスを対象として上記の作業を着実に推進している。具体的には、下記2つの調査によって動詞化の創造的・普遍的側面を浮き彫りにすることを試みてきた。1.大規模コーパスに見出される日英語の動詞形hapax legomenonを調査することによって、動詞化表現の創造的な側面を明らかにする。2.収集された日英語の動詞化の語形を精査することにより、語形決定の規則性を明らかにする。上記の研究成果を公表するために、学術論文、“Corpus-Based Research into Verb-Forming Suffixes in English: Its Empirical and Theoretical Consequences”を発行した(2022年9月、Proceedings of the Fifth International Conference on Computational Linguistics in Bulgaria, pp. 89-97)。また、20th International Morphology Meetingにて、“An Analysis of Deverbal Adjectivization within an Antilexical Framework: The Case of -kanoo Compounding in Japanese”という題目で研究発表を行った(2022年9月、Budapest, Hungary)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、形態的機構及び統語的機構との相互関係の解明を目的として、日英語の種々の動詞化表現を規則的に生成するメカニズムを明らかにする。そのために7つの作業仮説を設置し、計画通りに、以下の各ステップを踏んで仮説の検証を行った。 第一のステップとして、「-ize/-ify/-ate/-en派生語」及び「re-/mis-/over-派生語」のリストを作成した。大規模コーパスThe British National Corpus (BNC)から関連するすべての複雑語を摘出し、タイプごとにリストを作成した。 第二に、hapaxのリストを作成する。ステップ1で作成したリストの各語彙項目をBNCで検索し、hapaxの動詞表現を選別した。 第三にコーパスの検索を行った。ステップ1、2で作成したリストの各語彙項目をBNCで順次検索し、上記の作業仮説に照らし合わせて必要な形態・統語的情報を、丹念に記録していった。最後にデータ解析を行い、作業仮説を検証した。その際に、複数のインフォーマントによる文法性のチェックによって、コーパスに基づく検証を適宜補った。 上記の研究成果を公表するために、学術論文、“Corpus-Based Research into Verb-Forming Suffixes in English: Its Empirical and Theoretical Consequences”を発行した(2022年9月)また、20th International Morphology Meetingにて、“An Analysis of Deverbal Adjectivization within an Antilexical Framework: The Case of -kanoo Compounding in Japanese”という題目で研究発表を行った(2022年9月)。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、日英語の種々の動詞化表現を規則的に生成するメカニズムを明らかするによって、形態的機構の仕組み及び統語的機構との相互関係の解明することにある。令和4年度は、「英語の動詞化はどのように行われるか」について調査した。具体的には、最先端言語理論に基づき一連の仮説を設定した後で、英語の動詞派生語に関して、大規模コーパスとインフォーマントチェックによって詳細な事実観察を行いながら、各作業仮説を検証していった。令和5年度は、「日本語の動詞化はどのように行われるか」について調査する。具体的には、次の研究活動を行う。 1. 「-化する/-がる/-じみる/-づく/-ぶる/-まる/-めく/-める/-やぐ派生語」及び「再-/誤-/超-派生語」のリストを作成する。大規模コーパス「現代日本語書き言葉均衡コーパス」(BCCWJ)から関連するすべての複雑語を摘出し、タイプごとにリストを作成する。摘出に当たっては、wild card(任意の文字列)の機能を駆使する。 2. hapax legomenonのリストを作成する。ステップ1で作成したリストの各語彙項目をBCCWJで検索し、hapaxの動詞表現を選別する。 3. コーパスの検索を行う。ステップ1、2で作成したリストの各語彙項目をBCCWJで順次検索し、上記の作業仮説に照らし合わせて必要な形態・統語的情報を、丹念に記録していく。最後にデータ解析を行い、作業仮説を検証する。その際に、複数のインフォーマントによる文法性のチェックによって、コーパスに基づく検証を適宜補う。 4. 広範な事実観察及び理論的分析を、学会で発表し論文にまとめることによって公表する。
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Research Products
(5 results)