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2023 Fiscal Year Research-status Report

英語における音韻的揺れについて

Research Project

Project/Area Number 22K00603
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

山本 武史  大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 教授 (40412291)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords音韻の揺れ / 強勢 / 接尾辞 / 英語
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、これまで真正面から捉えられることが少なかった英語における音韻のさまざまな揺れのうち特に強勢や音節に焦点を当て、その真の原因を探ろうとするものである。今年度は主に強勢に関する問題に取り組んだ。
英語の接尾辞が強勢付与に深く関わることは広く知られており、例えばFudge (1984)は-ableをApplicable, hOspitable(主強勢音節の母音を大文字で表す。)のように2つ前の音節に主強勢を与えるとしている。ところがこの2語にはapplIcable, hospItableという形もあり、またここに分類される接尾辞は-cide, -gonなど強母音を含む1音節であるものが多いが、-ableは2音節で強母音も含んでいない。-cide, -gonのような接尾辞の場合は直前 in(sEcti)(cide), (hExa)(gon)のような2音節フットが形成されると考えると主強勢の位置が説明されるが、-ableはこのような説明ができない。報告者は、Shakespeare作品に現れる語の当時の発音を再構したCrystal (2016)が -able で終わる語の多くをこの接尾辞の第1音節に副次強勢を持つとしていることに着目し、もともと-cide, -gonなどと同様に(Admi)(rable), (Appli)(cable),(hOspi)(table)のようなフット構造を有していたが、後に語末フットの副次強勢が消失したことによって(Appli)cable, (hOspi)tableのような例外的な構造が生じたと考えた。この考えは強勢が必ずしも共時的な分節素列に基づいて付与されるのではないことを示している。また、applIcable, hospItableのような形は、例外的な構造を回避するためにフットが再構成されて生じたと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ほぼ当初の計画通りに進んでいるから。

Strategy for Future Research Activity

次年度は本研究課題の最終年度であるため、これまでに扱っていない音韻の揺れの中で注目すべきものがないか検討するとともに、これまで取り組んではきたがまだ研究成果を発表していないアメリカ英語の弱母音に関する揺れ、母音の長短と強勢位置についての問題、分節についての問題等について研究成果を取りまとめて学術誌に投稿したい。

Causes of Carryover

今年度は資料・ソフトウェア等の物品で特に必要となるものはなく、校正を依頼する必要が生じた英語論文も当初の予想より少なかった。また、旅費については、本研究課題を遂行する上で必要性が高いと考えられる学会発表等がなかった。翌年度も必要に応じて適切に予算の執行に努める。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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