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2023 Fiscal Year Research-status Report

Historical pragmatic study of impoliteness in Early-Modern English period

Research Project

Project/Area Number 22K00626
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

椎名 美智  法政大学, 文学部, 教授 (20153405)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 滝浦 真人  放送大学, 教養学部, 教授 (90248998)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords歴史語用論 / ポライトネス / インポライトネス / モダリティ
Outline of Annual Research Achievements

これまでのインポライトネス研究のまとめとして、ひつじ書房より、研究分担者の滝浦真人氏と共同で『インポライトネスーーからまる善意と悪意』というタイトルの論文集を編集した。本論文集には、自らの単著・共著による論文も含め、日本語と英語においてインポライトネスを研究している研究者の論文が集められている。表題に「インポライトネス」というタームがついた研究書はこれまでなかったので、日本でのインポライトネス研究を牽引することになったと考えられる。その論文集の中には、椎名単著の 「悪態をつく人びとーシェイクスピア時代のコメディを分析する」と、共同研究者、及び英文学研究者の阿部公彦氏の3人の共著の「意地を張りあう人びとー『明暗』におけるイン/ポライトネス」という論文が収録されている。単著の「悪態をつく人びとーシェイクスピア時代のコメディを分析する」は、本研究課題である初期近代英語期のインポライトネス研究をコーパスアプローチで行ったもので、一つの成果と言える。「意地を張りあう人びとー『明暗』におけるイン/ポライトネス」は、英語のインポライトネス研究で考察してきたインポライトネスの概念と分析方法が、日本文学の作品にも応用することができることを証明する論文であり、研究分担者以外の英文学者とのコラボレーションができたという点で意義深い。
学会発表としては、他の共同研究者(中安美奈子氏)と、初期近代英語期の口語表現を集めたコーパス内の裁判テキスト(チャールズ一世の弾劾裁判)に関して、モダリティを中心に分析した研究を、国際英語学会にて発表した。
このテーマを発展させたものとして、ポライトネスとの関連で日本語の敬語について「させていただく」関連の講演をし、その講演を元にした論文を「待遇コミュニケーション研究』に発表した。また、英語での論文も現在執筆中で、2024年度には出版される予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

日本の語用論研究において、インポライトネス研究はまだあまり進んでいないので、そのきっかけとなるようにインポライトネスをテーマとして研究書を編集した。その過程で、英語だけでなく日本語でインポライトネスを研究している研究者との交流もできたし、研究分担者以外の研究者とのコラボレーションができて、最初に考えていたよりも発展的に研究が進んでいると考えている。

Strategy for Future Research Activity

インポライトをテーマにした論文集に寄稿する論文を執筆することにより、インポライトネスへの考察が広がると同時に深まったし、研究分担者以外のインポライトネス研究者との意見交換ができたので、今後も、その方向で研究を進めていきたい。個々のテキストの分析をさらに進めて、コーパス全体の傾向を把握する方向に研究を進めていきたいと考えている。ただ、当初考えていた「インポライトネス理論の構築」に関しては、少し考え方を変える必要がある。なぜなら、分析を進めるにしたがって、ポライトネス理論とは違って、理論が構築できないのがインポライトネスの特徴ではないかということがわかってきたからである。そのあたりの研究の方向性を再検討する必要があると考えている。

Causes of Carryover

予定していた学会出張が、校務とコロナ罹患による体調不良により不可能になったのと、zoomでの参加が可能になったりしたため、実際に出向く出張が少なくなったために、旅費の出費がなかった。次年度は、今年度より国内外の学会での発表を行っていきたい。

  • Research Products

    (7 results)

All 2024 2023

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 「新刊クローズアップ『イン/ポライトネス ―からまる善意と悪意―』」『日本語学』2024

    • Author(s)
      滝浦真人
    • Journal Title

      『日本語学』

      Volume: 43(1) Pages: 54-54

  • [Journal Article] 「シン・させていただく」の誕生秘話―文法化と敬意漸減の影響―2024

    • Author(s)
      椎名美智
    • Journal Title

      『待遇コミュニケーション研究』

      Volume: 21 Pages: 50-65

  • [Journal Article] A new trend in Chinese address and its theoretical implications : An argument from observations of bifocal strategies in recent chat commerce2023

    • Author(s)
      Tingting Xiao, Masato Takiura
    • Journal Title

      East Asian Pragmatics

      Volume: 8(3) Pages: 383-413

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 「書く「目的」と「スタイル」の話」2023

    • Author(s)
      滝浦真人
    • Organizer
      国立国会図書館 調査局 研修講義
    • Invited
  • [Presentation] 「チャット・コマースに見る“遠近両用”ストラテジーと東アジアの語用論 ― 中国語の対人距離感にいま起こっていること ―」2023

    • Author(s)
      滝浦真人他
    • Organizer
      日本語用論学会第26回大会
  • [Presentation] Trial Record of King Charles I; Space, Time, History and Discourse in an Early Modern Courtroom2023

    • Author(s)
      Nakayasu M, Shiina M
    • Organizer
      The 7th International Meeting of the International Society for the Linguistics of English
  • [Book] 『イン/ポライトネス ―からまる善意と悪意―』2023

    • Author(s)
      滝浦真人・椎名美智(共編著)
    • Total Pages
      267
    • Publisher
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784823411595

URL: 

Published: 2024-12-25  

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