2023 Fiscal Year Research-status Report
The relation between the perception/production of English lexical stress and phonological knowledge
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22K00627
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
菅原 真理子 同志社大学, 文学部, 教授 (10411050)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 英語の語強勢付与 / 日本人英語学習者 / 韓国人英語学習者 / 英語母語話者 / 異なるタスクでの英語強勢付与一致率 / 紙面での強勢付与 / 発話における強勢付与 / 自然発話コーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
R5年度は、研究計画書に掲げた2つ目の疑問点「英語学習者が英単語を発話するときと、紙面にスペルで記された英単語に強勢を付与するときとで、使用する語強勢の知識は同一なのか」に取り組んだ。 本研究は日本人英語学習者(JLE)、韓国人英語学習者(KLE)、英語母語話者(ENS)の3群を対象とし、彼らは紙ベースの強勢付与課題(紙面にスペル表記された英単語のどこに主強勢があるか見極め、その位置にアクセント記号を付与する課題)に回答した後、そこで使用した単語を音読し、その音声は発話データとして録音された。紙ベース課題の結果(どこにアクセント記号が付与されているか)と発話データから推定された主強勢音節との一致率を3グループ間で比較した。さらに発話データにおける推定主強勢音節とそれ以外の音節の音響特性も分析した。発話における主強勢音節の推定には、Sylvain Coulange氏(グルノーブル大学大学院博士課程在籍・R5年当時同志社大学研究生)と加藤恒夫教授(同志社大学)の協力のもと、英語韻律自動評価のプログラム(PLSPP)を用いた。JLEとKLEの比較の予備的結果をR5年11月に日本音声学会の第34回研究例会にて発表し、JLE、KLE、ENSの3群の比較結果については、国際学会LabPhon19に提出した要旨が受理され、R6年6月に発表を行う予定である。 上記の研究に加え、Coulange氏、加藤教授、小西隆之氏(神戸大学助教、R5年当時早稲田大学講師)およびその他の研究者等と共同で、JLEの英語自然発話コーパスの構築をするため、JLEによる英語でのディスカッションを録音し、コーパス化を目指している。この研究に関して、R6年2月にLCSAW6(Learner Corpus Studies in Asia and the World)にてポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目的は、研究計画書に示した通り、2つの疑問点(「①英語の母語話者が英単語の音節を「強い」もしくは「弱い」と感じるのは、純粋にその音響的特徴だけに基づいてのことなのか、それとも彼らが母語話者として持つ英語の語強勢に関する音韻知識による思い込みにある程、依拠しているのか」と「②英語学習者が英単語を発話するときに使用する語強勢付与に関する知識と、紙面などにスペルで記された単語に強勢の印を付与するときに使用する知識は同一なのか、それともタスクによって異なるのか」)を解明していくことである。そのうち、①に関連しての音響研究の学会発表をR4年度に、②に関しての発表をR5年度に行っており、今後の研究の推進計画も具体的に見えている。このことから、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、以下を計画している。まず、①に関しての音響研究をさらに進め、知覚実験の準備も行っていく。また、②に関しては、R5年度に対象とした語群に加え、他の語群も対象に研究を進めていく。そしてどちらに関しても、R6年年度もしくはR7年度に学会発表することを目指す。
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Causes of Carryover |
当初、ハイスペックなコンピュータを購入する予定で、前倒し請求を行ったが、その後予定が変更となり、前倒し請求分を全額使用しなかった。具体的には、年度途中で自然発話コーパス構築に取り組むことになり、発話者への謝礼金を執行しなければならなかった。しかしそれを執行したために、ハイスペックなコンピュータを購入するだけの費用が残らなかったため、残額を次年度に繰り越すこととなった。 今回生じた繰越の費用は、令和6年度に参加する国際学会の参加費および旅費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)