2022 Fiscal Year Research-status Report
CLD児童・生徒を支える、ゆるやかで、持続可能なネットワーク構築を目指して
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22K00634
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山崎 けい子 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (50313581)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ゆるやかなネットワーク / 持続可能なつながり / 人工物(教材、指導方法) / 共有 / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、関係者にインタビューを行い、非集住地域の CLD(Culturally Linguistically Diverse) 児童/生徒サポートの現存するゆるやかなサポートネットワークを、持続可能でより活性化されたネットワー クに再構築する方法を模索している。子ども支援活動に関する、指導の工夫、独自の教材、情報などの、どのようなものが(誰から発せられたものが)有効な「人工物」となりうるのか。どのような共有のされ方(メンバ ーへの可視化、「不特定の観衆」への可視化)が望まれるのかを分析していきたい。最終的には「強制性のない、ゆるやかな関係性」と「持続可能なつながり」の両立は、どのような 実施形態で可能なのか。「ゆるやかな」意識に属する、活動内容、頻度、労力の程度を探っている。 令和4年度は、まず、11 人(小/中学 校日本語教室教諭等4人、外国人相談員2人、日本語支援ボランティア4人、その他1人)に、半構造化インタビューを行った。インフォーマントの許可を 得た上で録音、文字化した。インタビューは、主に次の1.2.3.等の各項目で行われた。現在はこれをまとめ、データ化している。 <インタビュー内容> 1.今の子ども支援でうまくいっていること、困っていることは何か。<現状把握、共有されるべき情報や課題の発掘> 2. 現在使用している教材、指導の工夫、自作教材など、自分の活動の中心になるものはどのようなものか。周りに紹介するとしたらどの範囲で可能か。<共有されるべき教材、指導方法の発掘、可視化の程度> 3.現在自身が利用している、子ども支援のサポート(人、もの、ネットワークなど)は何か。不足しているものは何か。どのようなネットワーク(活動・頻度・労力)なら参加を望むか。<現在のネットワークの把握と今後の可能性>
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、当初の予定(10人)を超えた11 人(小/中学 校日本語教室教諭等4人、外国人相談員2人、日本語支援ボランティア4人、その他1人)に、半構造化インタビューを行った。インフォーマントの許可を 得た上で録音、文字化した。インタビューは、主に次の1.2.3.等の各項目で行われた。現在はこれをまとめ、データ化している。。 <インタビュー内容> 1.今の子ども支援でうまくいっていること、困っていることは何か。<現状把握、共有されるべき情報や課題の発掘> 2. 現在使用している教材、指導の工夫、自作教材など、自分の活動の中心になるものはどのようなものか。周りに紹介するとしたらどの範囲で可能か。<共有されるべき教材、指導方法の発掘、可視化の程度> 3.現在自身が利用している、子ども支援のサポート(人、もの、ネットワークなど)は何か。不足しているものは何か。どのようなネットワーク(活動・頻度・労力)なら参加を望むか。<現在のネットワークの把握と今後の可能性> ここまでは概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビューに関しては、外国人相談員が他に比べ2人と少ないので、さらに加えて行う予定である。また、各項目に整理したデータを考察し論文化するのが、現在の目標である。 さらに、令和5年度はインタビュー内容の分析結果のZoom 報告会(90分)を行う。このZoom報告 会の中で「教材・指導方法、自主教材、関連情報/課題など」の紹介を詳しく行う、Zoom ワークショップ(90 分)(参加者の希望により対面も可、その後、子どもラサ HP 上での公表も模索)を提案し実施する。Zoom 報告会、Zoom ワークショップは、参加者に許可を得た上 で、録音・文字化/記録し、補助資料とする。また Zoom 報告会、Zoom ワークショップ参加者には、アンケートの回答を依頼する。アンケートでは、本ネットワーク活動への評価として、「各人工物の紹介の良し悪しと理由、実施形態、可視化の程度、今後の望まれる適 正な活動、頻度、労力」などを聞く。また、「本ネットワークやメンバーに対する意識変化」「自身の CLD 児童・生徒支援活動や日本語学習支援活動への意識変化」も聞く。アン ケート内容も、参加者に許可を得た上でデータ化する。
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Causes of Carryover |
昨年度後半は、研究代表者が健康上の理由により活動できない時期があり、計画通りに予算消化が出来なかった。しかしながら、回復後は遅れを取り戻すべく確実に進展している。
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