2023 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental Research on Rethinking the Design of Online Classes
Project/Area Number |
22K00651
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
高橋 薫 創価大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70597195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 敏子 日本大学, 大学院総合社会情報研究科, 教授 (00409137)
藤本 かおる 武蔵野大学, グローバル学部, 准教授 (20781355)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | オンライン授業 / ICT / 同価値理論 / 教師の困難感 / 生成AI / 著作権 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の主な実績は次の通り。 1)オンライン授業での教師の困難感:オンライン授業の実践における困難感についてアンケート調査を実施し、Anderson & Archer (1999)の「プレゼンス(presence)」(教授的存在感(TP)、社会的存在感(SP)、認知的存在感(CP))の観点から分析を行った。アンケートの言説を分析した結果、教師の困難感は対面授業と同じような行動ができないこと(TP)が中心で、SP と CP へは配慮不足であったこと、また、困難感はオンラインを対面に戻しただけでは解決できない可能性があることがわかった。 2)オンライン授業は対面授業と同価値の学びを導くか:ICTを活用した日本語教育を行っている研究協力校でコロナ前の対面授業とコロナ後のオンライン授業の学習成果を比較する定量的な研究を行った。その結果、対面授業とオンライン授業の学習成果には有意差は見られなかった。 3)HyFlex型授業での熟達した教員の振る舞い:HyFlex型授業で対面学生とオンライン学生の双方と円滑なやりとりを行っている熟達した教員の振る舞いを会話分析により記述を試みた。その結果、指名や発問の組み立て、それに付随する視線や体の向きなどによって、PCと教室の両空間をうまく移動し、従来の教室運営のように、先々の活動を想定しながら進めていることがわかった。 4)ICT活用のためのタペストリー・アプローチ:オンライン授業で培ったICTの活用の成果をどのように対面授業にも活かしていくか、ICT活用のためのタペストリー・アプローチを提案した。5)生成AI時代の日本語教育と著作権を考えるセミナーの開発:生成 AI が作成した作品は著作物にあたるのか、著作者は誰になるのか、生成 AI を利用して教材を作成したり、授業の過程で導入する場合に何に配慮する必要があるのかなど、教師の疑問を集約しその問いに答える著作権セミナーを開発し実践した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウィズコロナの教育現場では、教育のデジタル化、リモート化、オンライン化が急速に進み、日本語教育の現場でも多くの実践知が積み重ねられていったことから、本研究では、関連する15の学会発表を行って現状を整理し、2つの論文を発表した。加えて、教育現場でどのように生成AIと向き合うべきかが問われるようになってきたことから、生成AI時代の日本語教育と著作権を考えるセミナーの開発と実践を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年2月に実施した「生成AI時代の日本語教育と著作権を考えるセミナー」の開発研究は、2024年第7回AIと日本語教育国際シンポジウム(採択済み)で報告予定である。加えて、これまでに学会発表した内容の論文化、書籍化を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
旅費と人件費の繰越金は次年度の海外出張やインタビュー謝金等で使用する予定である。
|
Remarks |
高橋薫, 保坂敏子, 我妻潤子, 宇治橋祐之「生成AI時代の日本語教育と著作権を考える」小出記念日本語教育学会第16回ワークショップ 2024年2月24日 https://koidekinen.org/archives/1566
|