2022 Fiscal Year Research-status Report
リスク時の外国人相談員に必要な資質・能力の解明と研修モデルの開発:コロナ禍の調査
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22K00662
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
徳井 厚子 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (40225751)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 外国人相談員 / リスク時 / コミュニケーション / 資質・能力 / 研修モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、コロナ禍や自然災害等さまざまな災害が起きているが、リスク時(自然災害、健康、安全上のリスク時)には外国人住民は情報弱者となり社会から孤立しがちである。本研究は、リスク時に必要な外国人相談員の資質・能力についてインタビュー調査をもとに明らかにし、これらの資質・能力を育成するための研修モデルを作成することを目的としている。 本年度は、第1に、国内外における先行研究(リスク時におけるコミュニケーションに関する研究)の文献研究を行った。 第2に、リスク時における外国人相談員の内容やコミュニケーション支援の状況について、実際のリスク時の対応、及び防災教育という2つの側面から複数の自治体で聞き取り調査を行った。また、地震の災害に関するセミナーへの参加を行った。まず、実際の災害時(コロナ禍)の際の外国人相談員のコミュニケーション支援の状況と課題について聞き取りを行なった。次に、災害時の外国人支援で先進的な取り組みを行っている複数の自治体に対してインタビューを行い、外国人支援の防災の具体的な取り組み、相談員や支援者のどのようなコミュニケーションが必要か等についての聞き取りを行った。さらに、地震の災害に関するセミナーに参加し、被災者の方達から災害時におけるコミュニケーションの実態についてのお話をうかがう機会を得た。 第3に、リスク時(コロナ禍)における外国人相談員のコミュニケーションについてのインタビュー結果と考察についてまとめた。これらは2023年発行予定の著書に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外のリスク時における文献研究を予定通り行うことができた。複数の自治体に調査することができた。調査の結果、コロナ禍における外国人相談員のコミュニケーションの実態や問題点、課題について明らかになった。また、外国人支援における防災の状況について先進的な取り組みを行っている複数の自治体にインタビュー調査を行なうことができた。また、災害時におけるコミュニケーションの実態について、外国人を特に対象としないケースについても聞き取りを行うことができた。さらに、リスク時における外国人相談員のインタビューを著書としてまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っているリスク時のコミュニケーションに関する国内外の文献研究を継続して行ない、リスク時におけるコミュニケーションの先行研究についてまとめる。2022年度に行った国内におけるインタビューの結果をまとめ、分析を行い、考察する。これらの内容について学会で発表するとともに、論文執筆を行う。複数の自治体を対象に、リスク時におけるコミュニケーションの実態及び外国人相談員の資質・能力についてのインタビュー調査を継続して行う。上記の結果を考察し、リスク時における外国相談員に必要な資質、能力について検討し、整理する。これらの結果を踏まえ、研修モデルの開発を行う。 なお、今後様々な災害が起こる可能性があることから、当研究で扱うリスクの研究対象をコロナ禍に限らず、他の様々な災害も含むこととする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染の懸念から、海外での学会参加、発表を行なわなかったため、次年度使用額が生じた。2023年度は海外での学会発表を行なうことが決定しており、渡航費として使用予定である。
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Research Products
(3 results)