2022 Fiscal Year Research-status Report
自己訂正時の視線分析に基づくライティング指導方法の開発
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22K00663
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
吉成 祐子 岐阜大学, グローカル推進機構, 教授 (00503898)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ライティング指導 / 誤用 / 自己訂正 / 視線分析 / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外国語学習者の作文修正過程における認知傾向を明らかにし、その結果に基づいた効果的なライティング指導の確立を目指すものである。作文修正には、内容の充実や、より適切な表現を用いるといった修正だけでなく、学習言語での作文だからこそ、まず、語彙・文法の間違い(誤用)を訂正することが必要とされる。語学力が上がるにつれ、誤用は減少する傾向にはあるが、完全になくなるということもない。語学レベルが初級であれ、上級であれ、自らで間違いに気づき、訂正できるようになること(自己訂正)が重要視されているが、そもそも学習者が間違いに気づいているかどうかという認知的な面を探ることについては、あまり注目されてこなかった。本研究の第一の目的は、作文修正過程における視線の動き(注視点や注視時間等)を分析し、学習者がどのように誤りを認識しているのかを明らかにすることである。 2022年度は初年度として、①作文における学習者の誤用産出傾向や自己訂正の問題点を明らかにすること、②視線計測を含む言語実験のための準備を行うことを計画した。①については、既存の学習者コーパス(I-JAS等)を利用し、日本語学習者の誤用の傾向を探った。また、日本語教育に従事している教育者・研究者の協力を得て日本語学習者の作文を収集し、分析に取り組んだ。初稿と修正稿とを比較することで、自己訂正の有無等を検証した。現在、結果をまとめているところである。②については、新たな視線分析装置や分析ソフトを効果的に使用するため、関連する先行研究や専門書にあたり、適切な手法の検討を行った。また、予備調査も兼ねた簡易な実験や分析を行い、本実験で使用する刺激文の作成に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である2022年度は、作文における学習者の誤用や自己訂正、フィードバックの方法等の研究動向を探り、問題の明確化を目指した。先行研究にあたることで、研究動向を知ることができた。学習者が産出する誤用については、既存の学習者コーパス(I-JAS等)を利用すること、日本語学習者が執筆した作文を収集することによってデータを集め、現在その分析を進めている。実験準備に関しては、新しく取り入れた視線分析装置や分析ソフトの操作にも慣れ、簡易予備実験も行っている。以上より、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度に取り組んだ、作文における学習者の誤用産出傾向の結果をまとめ、その成果を学会等で発表する。そこで様々な意見や知見を得、より適切な実験刺激作成に取り組む。そして、本実験(2024年度に実施予定)に向けた予備調査を行う。試用として「誤用発見課題」「誤用修正課題」等の言語実験(視線計測を含む)を作成し、日本語学習者や日本語母語話者を対象に実施し、その結果を本実験に活かせるよう、課題内容や実験手続きを精査する。
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Research Products
(1 results)