2022 Fiscal Year Research-status Report
外国人児童生徒との日常的接触を通したグローバル・コンピテンスの発達に関する研究
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22K00679
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
奥西 有理 岡山理科大学, 教育学部, 教授 (50448156)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 異文化接触 / 外国人児童生徒 / グローバル・コンピテンス / 異文化理解 / 多文化共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外国人児童生徒の日常的な異文化接触が日本人児童生徒のグローバル・コンピテンスの発達にどのような影響を及ぼすのかについて、質的研究による解明を試みている。幼稚園から高等学校までの学齢期に外国人児童生徒と身近な異文化接触を経験した大学生に面接調査を実施した。接触した外国人児童生徒はアジアからアフリカまで多国籍にわたり、日本の学校の多文化化は急速に進行しており多様な異文化接触が行われていることが分かった。 調査協力者の接触の当時持った認知面・行動面・情意面について振り返りを行ってもらいながら丁寧に聞き取りを行った。またこれらについて現在はどのように評価しているのかについても考察してもらい、当初の異文化接触体験と自己変容や人格形成との関係について探った。どのような接触がどのような認知・行動につながり、どのような資質能力が育成されるのかについて質的分析により丁寧な掘り起こしを試みている。詳しい分析はまだ行っていないが、学童期の異文化接触体験がその後の国際志向性や異なる文化を識別する力やコミュニケーションの調整に影響を与えていることが浮かび上がってきている。また、異文化接触の背景にある日本の学校の文化的特質について明らかにすることも試みている。日本の学校教育が強い集団志向性を持ち国民育成のための教育を推進していることが、外国人との接触との関係でどのような現象を生み出す可能性があるのかを異文化間教育の視点から概観した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析に必要な質的データを取得できた。分析に必要となる日本の教育文化についても概観し文章にまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の質的分析法を用いて、学校における異文化接触によるグローバルコンピテンスの発達の条件を探っていく。
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Causes of Carryover |
面接調査を予定していた数名の調査協力者に対する面接実施が、協力者の都合により次年度に持ち越してしまった。次年度早急に実施した上で、その文字起こしに必要な支出も早急に行う計画である。
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