2023 Fiscal Year Research-status Report
多文化共生社会NIPPONを目指した「やさしい中国語」構築の試み
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22K00690
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
西 香織 明治学院大学, 教養教育センター, 教授 (70390367)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | やさしい中国語 / 多文化共生社会 / 日本 / 言語教育 / 多様化・細分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、中国語を第一言語とし、かつ、日本語でのコミュニケーションに不自由を感じている日本居住者を主な対象者として、日本における生活の中での困難やトラブルの内容、および言語面での困りごと、どのような言語的サポートを必要としているかなどの調査をインタビュー形式で行った。予定していた項目をすべて網羅することはできなかったが、ある程度の傾向が見えてきた。 また、日中国際結婚家庭や日本に暮らす華人家庭の中で、子どもがいる場合に、特に家庭内での継承語としての中国語教育の現状、夫婦間、親と子の間での言語使用の現状などもインタビュー形式で調査した。親同士が中国語を使っていても、子どもは日本語のみを使用し、中国語は少し聞いてわかる程度、という家庭が多く存在していることが明らかになった。まとめた内容について国際学会にて発表し、現地の研究者と意見交換を行った。 これらの調査結果をもとに、日本で日本語母語話者(中国語学習者)と中国語話者との接触場面において起こりうるコミュニケーションのシチュエーション(場面)パターンを抽出する作業を行う予定であったが、この部分は年度内に実施できなかったため、2024年度に実施を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数年に及ぶコロナ禍での自粛生活などの影響を受け、社会における外国語教育のニーズなども変化がみられ、また、家庭内の言語使用のあり方や言語学習、言語教育のあり方にも変化が見て取れることから、研究の方向や内容に関して軌道修正の必要が出てきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定を軌道修正した形で、日本における日本語母語話者(中国語学習者)と中国語話者との接触場面において起こりうるコミュニケーションのシチュエーション(場面)パターンを改めて抽出する作業を行う予定である。 また、日本では主に外国にルーツがある人に配慮した「やさしい日本語」の推進が見られるが、海外においても、移民などの流入や、外国人居住民の増加に伴い、平易化したわかりやすいことばのシステムが構築されてきている。「やさしい日本語」や海外におけることばシステムなどを参考にしつつ、日本における「やさしい中国語」の実質的な内容を精査していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた調査が一部行えなかったこと、海外における国際学会発表が一部できなかったことなどから、研究費の使用が大幅に減った。研究計画の見直しを行ったうえで、2024年度以降に特に海外における学会発表を積極的に行う予定である。
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