2023 Fiscal Year Research-status Report
日英コーパス分析と実証実験の実施による英語学習項目優先度設定への試み
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22K00702
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
坂田 直樹 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (70581114)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 心的英語表象 / 語彙知識 / 統語知識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、単語の共起的な振る舞いが日英語間で異なる(例えば、日本語で「勉強をする」は英語では“study”1語で表せるが、日本語では同じような振舞い をする「写真を撮る」は英語では“take a picture”である)ことによる、学習への影響を調査することを主な目的としており、2023年度は5年間の研究期間の2年目に当たる。 当初は、2年目までに、日英母語話者コーパス間の比較を行い、双方の言語における高頻度の動詞について、共起的な振る舞いの異同を抽出し、3年目以降での日本語母語英語学習者コーパス分析、並びに、同学習者を対象とした実証実験の基盤となるデータを収集する予定であったが、研究代表者が、同期間に予期せず所属機関での役職に就いたため、本研究へ従事可能な時間が著しく減少した。 そこで、コロナ禍が明けたこともあり、2023年度については、基礎知識としての語彙/統語に関する基本的な調査を行うこととし、大学英語教育学会や外国語教育メディア学会を中心に、合計8回の国内出張を行い、当該分野における最新の知見を獲得することに注力した。研究室内の設備についても更新を行い、コーパス分析に必要なスペックを持つコンピュータを備え、今後の研究が順調に進捗するための準備を行なった。 また、日本語母語話者の心的英語表象について、“Frequency Effects of Multi-Word Sequences on L2 Learning: Unfolding the Complexity of L2 Syntax Modeling”の表題にて、熊本学園大学文学・言語学論集において、学術論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進んでいない部分はあるが、5年間の中での時間配分を調整しながらの進捗は出来ており、残り3年間での研究課題の遂行は十分可能であると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度末までに、日英語間での共起的振舞の相違についてのデータ取得を終えることにつとめ、可能であれば、学習者コーパスでの調査計画を完成させる。
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Causes of Carryover |
日英語母語話者コーパス間での比較について、年度内での実施ができなかったため。
次年度使用額は、こちらの比較を令和6年度に実施するために使用する。
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