2022 Fiscal Year Research-status Report
高専生の英語学術プレゼンテーションのためのテンプレート開発:論理展開に注目して
Project/Area Number |
22K00705
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
上垣 宗明 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60353299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 洋平 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40803151)
ピレッジ マークアンドリュー 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60735273)
石井 達也 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (90845603)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 英語学術プレゼンテーション / 英語表現のテンプレート / 日本語コーパス / 英語コーパス / 日英語間の論理展開の差異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、理系学生が英語学術プレゼンテーションを行うための「論理展開に即した英語表現のテンプレート」を開発することである。具体的には、高専生が5年生終了時に提出する卒業研究の日本語要旨をコーパスデータ化し、学科・研究室ごとに特徴的な表現を抽出し、それらの表現を英語化することを目指す。英語化する際に、日本国内で通用するテクニカルタームなのか、世界でも通用するものなのかを、専門学科教員、native教員の協力を得ながら調査する。日本国内でしか使われない表現であっても、できる限り、世界で通用する英語表現に近づけていく。 2022年度、2019年度~2021年度の神戸高専本科卒業研究予稿集(日本語)(5学科6クラス約240名×3年間)のデータ化をおおよそ完成させた(2023年度は、2022年度の神戸高専本科卒業研究予稿集(5学科6クラス約240名分)をデータ化する)。データ分析は途中ではあるものの、学科間での特徴よりも研究室ごとでの特徴の方が際立っていることが確認された。研究室ごとに特徴的な固有名詞を抽出するだけでなく、その固有名詞と共起する動詞や形容詞も抽出することで、コロケーションとして英語リストを作成できることを確認した。 学生が英語で専門分野の学術プレゼンテーションの原稿を書くときに、日本語と同じ論理展開を用いてしまわないようにするために、「日英語間の論理展開の差異」に重点おき、より効果的な指導や評価のあり方を明確にすることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予稿集を分析しやすくするために、PDFファイルからのテキストファイル化を外注する予定だったが、高額であったために、研究者がその作業をすることになってしまい、時間がとられる結果となった。また、PDFファイルからテキストファイルへの変換ができないファイルがあり、それらの対応に時間がかかっている。現状、2019年度~2021年度までの日本語原稿のデータ処理がほぼ終わり、2022年度の日本語原稿のテキストファイル化に着手する一方で、英語テンプレート開発に向けた取り組みを始めている。また、学科ことでのコーパスの分析や論理展開についての分析も始めている。概ね、予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
理系学生に最適な英語学術プレゼンテーションのテンプレートを提供するために、まず、学生が執筆した日本語原稿を各学科、各研究室、各分野と徐々に細分化して分析し、特徴的な表現方法や専門用語、あるいは、論理展開があるのかを検討する。細分化した日本語テンプレートを再度見直し、汎用性が高いと思われる各学科あるいは各研究室に共通する2種類のテンプレートに集約することを検討している。2種類の日本語テンプレートから、日本語とは明確に異なる英語らしい論理展開の英語表現のテンプレートを開発する。 現状では、日本語原稿だけが主な分析対象となっているが、今後は、本研究の主目的である英語学術プレゼンテーションの指導をする上で、理想的な「論理展開に即した英語表現のテンプレート」の開発に占める割合を増やしていく。「英語表現のテンプレート」を開発し、教育現場でこれを利用することにより、基礎的・初歩的な段階における英語学術プレゼンテーションの指導や評価のあり方を明確にすることが可能となりより円滑にプレゼンテーションスキルを養成しながら「英語が使える高専生」を育成することが期待できる。
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Causes of Carryover |
購入予定であったPCが、半導体不足等の影響で、高額となっていたために、購入を1年間遅らせ、本年度購入予定である。また、3年間分の卒業研究予稿集のテキストファイル化に時間がとられてしまい、十分な文献検索の時間を作るとこができなかった。 旅費についても、新型コロナの影響で旅費を使用して出張することができなかった。
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