2022 Fiscal Year Research-status Report
英語学位プログラムの現状と課題把握のための質問紙の開発と検証
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22K00724
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小島 直子 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (80624890)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | EMI / 学習者心理 / 質問紙調査 / 留学生 / 第2言語習得 / 第3言語習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は非英語圏における英語学位プログラム(English-taught program, ETP)の役割を外国語教育学の視点から明らかにするための質問紙の開発を目的としている。 2022年度は①質問紙開発手順の明確化及び②多様な学生を対象とした文献研究を行った。文献研究を進めるうち、当該分野において多様な母語を持つ調査協力者を対象とした質問紙調査が非常に少ないこと、多くの多様な母語を持つ学生を対象にした質問紙も同一の母語を持つ学生を対象とした質問紙も同様の項目を使用していることが分かった。そのため、文献研究に加え、留学生を対象とした質問紙調査を行っている研究者からも意見を伺うことにした。そして、彼らも留学生を一括りする手法には疑問を持っているものの、母語や文化的背景に関わらず同じ質問項目を使用して調査を行っていることが分かった。 そのため、既存の質問項目を使いながら調査を積み重ねることで、その信頼性と妥当性を検証し、ETPの現状と問題点を明らかにする質問紙を開発していくこととした。質問紙調査では量的データのみならずインタビューやモティベーショングラフなどを用いて質的データも収集することとした。具体的には2021年4月に行った面接調査の結果をもとに質問項目を選定し、まずは、7月に本研究者が所属するETPにおける質問紙調査(n=66)と面接調査(n=8)を実施した。8月からデータ分析を開始し現在は得られた結果をもとに論文を執筆中である。以上の経緯から、当初の予定より質的データがより重要になり、データ全体に対して占める割合が増えることとなった。そのため、質的調査の経験が豊富な近畿大学の福井春菜氏から助言を仰ぎ、現在共同で論文を執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように質問紙の開発に関しては研究方法を変更せざるを得なかったものの、データは問題なく収集できている。多様な学生を対象とした文献研究については予想以上に少なかった。今後、調査を進める中で質問紙の妥当性を継続して検証していく。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度は①質問紙で使用する理論的フレームワークの選定、鍵となる要因及び質問紙の項目を整理し、国内外の研究者からフィードバックを得た上で②研究者が所属する英語学位プログラムにおけるパイロット・テスト(試行)を予定していた。①に関しては22年度に収集した質・量的データの分析結果を国内外の研究者と共有している。本調査については論文を近畿大学の福井紙と執筆し、現在投稿準備を進めている。②に関しては既に研究者が所属する英語学位プログラムでデータを収集したため、2023年度の10月以降にスペインComplutense University of Madridにてreplication study (追試)を行う予定である。22年度秋以降継続して先方とオンラインでのミーティングを重ねており実施に何ら問題はない。
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Causes of Carryover |
2022年度の予算で3月末に学会発表を行った。年度末のためシステムに反映されていないが、22年度の予算は3月中に全て執行済みである。
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