2022 Fiscal Year Research-status Report
MOOCを活用した反転授業の実践と評価―課題解決型英語学習に着目して
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22K00757
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
安部 由美子 広島工業大学, 工学部, 准教授 (00592346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
J・A Elwood 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (00400614)
益子 行弘 浦和大学, 社会学部, 准教授 (40550885)
小林 和歌子 日本大学, 文理学部, 教授 (40734174)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 外国語教育 / 反転学習 / 異文化コミュニケーション / MOOC / 課題解決型学習 / 協調学習 / SDGs |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、反転学習に必要な教材として、学習コンテンツ(関連資料)の配信、学習履歴の保管、オンライン・アンケート、および学習成果・管理・振り返りなど協調学習を促すためのe-ポートフォリオ機能を配置したLMSを構築した。MOOCプラットフォームであるedXからSDGsをテーマにしたコースを選び、国内2校の英語中級レベルの日本人大学生と同じアジア圏で、英語を公用語とするマレーシア人・フィリピン人大学生のボランティアグループを対象に、ZOOMによる英語のやり取りを令和4年度10月に開始し、初年次調査を行った。 研究方法としては、大規模公開オンライン講座(MOOC)を反転学習として授業で使用し、ZOOMによるビデオ通話を使った教室内活動を連動させ、課題解決型学習が、WTC、自己効力感、動機づけ、課題解決志向、英語学習成果に有効なのかを調査した。 本年度の調査内容は、MOOCを反転学習の教材として利用し、同期的な海外連携の遠隔授業を一定期間行い、問題解決型の国際協調学習の反転授業の効果として、自己効力感、 WTC、動機づけ、課題解決志向、英語学習成果などの因果関係の確認を中心に検討を行った。 実験データから、相手国、および日本人学習者において学習内容の理解度は高く、日本人学習者において、英語の自己効力感が高いほど、 コミュニケーション意欲が高くなる傾向がみられた。さらに、動機付けが高いほどコミュニケーション意欲も高く、コミュニケーション意欲が高いほど、ポジティブな問題解決志向も高い傾向があることがわかった。次年度以降は、研究協力者を増やしながら、今後さらに検証していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、自己効力感、 WTC、動機づけ、課題解決志向、英語学習成果の調査を受講者に対して行った結果、MOOCを反転学習とした課題解決型の国際協調学習が、相手国および日本人学習者双方に効果的であることを明らかにできた。従って、当初の予定通り順調に遂行していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度に行った変数の関係を説明するために、同じ条件が統制されている下で調査を続け、それらの結果の検証と結果が生じた要因の検討を行う。性別や国籍といった学習者の属性が、学習成果や受講者意識に及ぼす影響について調査する。実験前後において、学習効果があるかを調査するため、実験前後に言語テストを実施し、他データとあわせて多角的に検証することで、学習効果の要因を重ねて検討していく。また、まとめた結果を国内で発表、論文投稿などを行う。
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Causes of Carryover |
(理由)当初予定していた人件費と打ち合わせ代が抑えられたため、繰越金が生じた。 (使用計画)繰越金を含めた次年度分については、今後の分析費用、及び国内の発表の出張費などに効果的に使いたい。
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Research Products
(1 results)