2022 Fiscal Year Research-status Report
ディープラーニングによる母語の影響を踏まえたフィードバックシステムの構築と実装
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22K00762
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小林 昌博 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 教授 (50361150)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 母語干渉 / 受動態 / 過剰産出 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、日本人英語学習者の英語受動態の過剰産出を現象としてとりあげ、母語知識がどの程度過剰産出の引き金となっているかを調査した。英語の自動詞構文は非能格動詞と非対格動詞に分けられ、非対格動詞はさらに自動詞/他動詞の交替用法の有無で分類される。当該年度では、これら各種自動詞構文の受け身(非能格動詞と自他交替のない非対格動詞構文においては、受け身構文の容認度が非文扱いか容認度がかなり低くなる)と日本語の「間接受動態」を英訳した文(英語には存在しないので、直訳文は非文となる)の容認度の相関関係を調べることとした。具体的な実験のデザインとしては、上記の各種英語構文パターンに錯乱文を混ぜた文法性判断テストを作成し、比較対象群としての英語のネイティブスピーカーと実験群として日本人大学生を対象に5件法を用いた容認度判定タスクを課す実験を設定した。実験結果として明らかになったことは、ネイティブスピーカーと日本人英語学習者とも間接受動態の容認度が最も低く、正しい文法判断ができていることがわかった。同様に非能格動詞構文についても両グループとも容認度が低いことがわかったが、自動詞/他動詞交替のない非対格動詞の受動文に関しては、ネイティブスピーカーは非文判断が多い一方、英語学習者は過剰に容認していることがわかった。母語知識の干渉については、間接受動態構文と非能格動詞・非対格動詞の受動態構文の容認度に弱い相関関係が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画においても、まず先行研究において日本語の母語知識が干渉すると報告されている各種構文に対して、実験を実施して実際に母語干渉が観察されるかを調べることとなっており、本年度もおおむね順調に実験を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は母語干渉に関する調査実験を学習者の習熟別に実施して結果を比較することを予定している。また、中間言語を想定することでより広く正確にデータを説明できるかを調べ、ニューラルネットワークを用いたモデル研究にも展開予定である。
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