2023 Fiscal Year Research-status Report
協同学習によるグループワークが学習者の言語・認知・情意面に与える影響について
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22K00779
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
吉村 征洋 龍谷大学, 農学部, 准教授 (90524471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣森 友人 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (30448378)
桐村 亮 立命館大学, 経済学部, 教授 (40584090)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 協同学習 / エンゲージメント / グループワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、協同学習によるグループワークのメカニズムを分析し、協同学習によるグループワークが学習者の言語・認知・情意面に与える影響を検証することにある。そのため学習者エンゲージメントを理論的背景に用いて、協同学習によるグループワークのメカニズムを分析している。
本年度は研究代表者の勤務する大学を中心にして、協同学習理論に基づいたグループワークを授業で実践した。研究方法としては、協同学習による教育的介入前後で20分間のグループワークにおける学習者のエンゲージメントを比較・検証するために、学習者の情意面はアンケート調査、認知面はLanguage-Related Episodes、行動面はグループワークにおける発話数・ターン数を数値化した。被験者内デザインによって、学習者のエンゲージメントの変化を感情・認知・行動的側面から多角的に検証した。
研究成果としては、感情面で協同学習による介入前後で感情的エンゲージメントに有意差が見られた。またIndividual accountabilityと感情的エンゲージメントの変化の間に有意な相関があったことから、個人の責任感をより強く自覚するほど、感情的エンゲージメントが高まる傾向にあったことがわかった。行動面については、発言数・ターン数がグループワークの最初と最後の5分間で介入前後に差異が見られたが、全体的な発言数とターン数にほとんど差はなかった。一方で、LREs数が介入後、約2倍に増加していたことから、認知面に関しては、介入を通じてタスクに関する話し合いがグループ内で効率的に実施されていたことを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は被験者内デザインのみならず、被験者間デザインでも実施する予定であったが、研究代表者と研究分担者の担当するクラス間で学習者の英語力に開きが見られたため、実施することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は被験者間デザインによって協同学習理論を取り入れたグループワークが、学習者のエンゲージメントに及ぼす影響を感情・認知・行動的側面から多角的に検証する。
今年度は本科研の最終年度であるため、研究課題の総括を行う。これまでに得られた研究成果を国内外問わず広く公開・共有し、協同学習理論に基づいたグループワークをより効果的に実施するための英語教育・学習法を提示する。国内外の学会で研究発表を行い、研究論文としても国内外の学術誌に投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
当初、アメリカでの国際学会で発表予定であったが、発表日程の都合上、タイで行われた国際学会で研究発表を行った。また研究分担者1名が、国際学会に参加できなかったことにより、予定より出張旅費が抑えられたため次年度使用額が生じた。
次年度は当初予定よりも多くの学会で研究成果を発表する予定なので、その資金に充てたいと考えている。
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