2024 Fiscal Year Annual Research Report
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22K00963
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| Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
野田 昌吾 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (50275236)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 章生 札幌学院大学, 法学部, 教授 (60269719)
野田 葉 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (70568386) [Withdrawn]
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 1968年 / 戦後政治 / 冷戦 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1960年代末から1970年代初頭にかけて先進国を中心に世界で同時多発的に見られた学生を中心とする若者たちの政治的社会的抗議運動及び文化的異議申し立ての動き、いわゆる「1968年」の比較研究のフレイムワークの構築を目指すべく、戦後国際秩序における覇権国・米国とそのJunior Partnerである日本と西ドイツを対象として分析し、国際的な次元での冷戦秩序と各国の戦後秩序の相克と交錯、それが解き放つダイナミズムとの関係で米独日の「1968年」を理解することの有効性を確かめる作業を実施した。 この国際政治的次元と各国の戦後政治体制の関係を中心に置くアプローチにより、従来の研究では十分に視野に入ってこなかった「1968年」における「政治」の問題が浮き彫りにされた。これまでの研究は「1968年」にもっぱら「文化革命」としての意義しか認めてこなかったが、それでは「なぜ世界で同時発生的に起きたのか」「それは何をもたらしたのか」という比較「1968年」研究の最重要な問いに対して十分な答えは与えられない。 これに対し、我々の採用したアプローチはこの二つの問いに、これまでの通説的見解以上に踏み込んだ解答、もしくは、その端緒となる視角を提示することに成功したと考えている。すなわち、第一に、戦後の冷戦的秩序の形成のなかで凍結・抑圧されてきた問題が、当の冷戦的要請との関係で放置できなくなってきたこととの関係で、それぞれの国・地域で、その冷戦的秩序の中で置かれた状況に応じて、多様なかたちで「1968年」的な問題状況が現出してきたということ、第二に、「(文化面を除いては)何も生み出さなかった1968年」という議論自体が、この時期に「解凍」された問題をめぐるポリティクスの産物であること、が明らかにされた。このフレイムワークを用いて、さらに比較の対象を広げることが次の課題となる。
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