2023 Fiscal Year Research-status Report
公家社会の実相解明のための近世公家墓実態調査と総合的研究
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22K00978
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
浜中 邦弘 同志社大学, 歴史資料館, 教授 (00454489)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 公家墓 / 藤原氏 / 家格 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き京都に所在する江戸時代公家墓の調査を進めている。作業としては現地で墓の計測を行い図化したものを持ち帰ってイラストレーターでトレースし、図面作成上で漏れがないかを逐次確認しながら作業を行い、漏れが発生した点については再度現地で計測を行ってきた。また図化作業とともに作業として各墓の写真撮影を行った。墓の銘文が極力みえる形でライトをあてなながらの撮影を行い、写真でのデータ化を行った。現状での銘文情報をおさえるようにした。さらに今回調査している公家墓は一か所にまとまっておらず散らばっているため、各墓の現状での位置関係が必要であり、その位置関係を明確にするために、基準点の測量を行った。現地に基準点を3か所設置し、その基準点をもとに各墓の国土座標をいれて正確な位置をおさえ、同時にレベルを計測して墓の高さをおさえデータ化する作業を行った。これによって現状での墓の位置をおさえることが、パソコン等の機械上でも可能となった。こうした図化作業と並行して各墓の人物特定とその血縁関係等のデータ収集を行う作業を本格的に進めていった。当主とその妻については比較的特定がしやすいものの、それ以外の墓については特定の難しいものもあり、墓が存在する寺院や調査する旧公家の家のご子孫の御協力をいただきながらその特定作業を進めた。来年度に引き続き作業を進める。ここまでの調査をとおして公家墓の概ねの家格の序列化とその歴史的実相がみえてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでは各墓の実態状況の把握に時間にかかり、当初考えていた作業より作業が少し遅れた感もあったが、現在その問題が解消し、作業が回復し順調に進んでいると考えている。現地作業については気象条件に左右する部分も多いため、工夫を凝らして遅れが発生しないように努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
図面がトレースとして随時完成し、血縁関係等の調査も概ね順調に進んできた。これらの作業に並行して、これから公家墓の位置付けを検討する作業を行い、公家墓の家格における差異を中心に検討を行っていく。
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