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2023 Fiscal Year Research-status Report

What is "Urbanization"?: A Long-term Study around the Northeast Suburbs of Historical City Kyoto.

Research Project

Project/Area Number 22K00985
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

伊藤 淳史  京都大学, 文学研究科, 助教 (70252400)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 千葉 豊  京都大学, 文学研究科, 准教授 (00197625)
冨井 眞  大正大学, 文学部, 教授 (00293845)
笹川 尚紀  京都大学, 文学研究科, 助教 (00456807)
内記 理  愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (90726233)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords考古学 / 都市化 / 白川道 / 土佐藩邸 / 尾張藩邸
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、①古道の白川道に関連する発掘調査成果の精査と検証を継続し、対象を地域住民も含めた広い範囲で広報や情報収集を展開した。また、②古道周辺の都市化に焦点を当てた研究としては、対象域で濃密な考古学的情報が得られている中世と幕末を中心に、既発掘資料の再整理や関連資料の集成分析を進行させるとともに、学術目的の発掘調査による検証と新資料の獲得を試みた。あわせて、歴史的古道にかかわる比較研究という視座からの検討も継続して行っている。
①については、本共同研究を含めた一連のプロジェクトによる史資料の展示などを契機に、大学の所在する吉田地域において地域史への関心が高まり、要請に対応する形で包括的な成果紹介の発表を行った(千葉:吉田コミニティカフェ2023年12月)。
②については、中世にかかわるものとして、昨年度に続いて用途不明の土師器鉢形製品についての検討をおこない、鴨東地域以外の資料集成と分析を加えて全体を完了させた(伊藤:「塩壺」と俗称されている鉢形製品の検討(下)2024年3月)。幕末期にかかわるものとしては、京都大学本部構内の尾張藩吉田邸と北部構内の土佐藩白川邸について重点的に検討を進め、両藩の故地である愛知県および高知県において成果発表と情報交換の機会をもつことができた(笹川・伊藤:尾張藩社会研究会2023年7月、および笹川:高知県立坂本龍馬記念館講演会2024年2月)。また、比較研究にかかわるものとしては、内陸アジアの歴史的交通路にかかわる踏査を報告している(内記:タキシラ探索記2024年3月)。
また、とくに上記の土佐藩白川邸に関連して、研究分担者全員が参加しフィールド活動として、京都大学北部構内において遺構確認の学術発掘調査を実施した(2023年12月)。幕末期遺構の確認には至らなかったが、遺跡の遺存度や立地環境に関する貴重なデータを得ることが出来た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の主たる目的は、平安京・都市京都の近郊として、古道の白川道を介在させながら都市的様相と郊外農村とを反復するように推移してきた京都大学吉田キャンパス一帯の歴史的推移を、蓄積されてきた多くの発掘調査成果を主体にしながら意義づけをおこない、比較研究も加えながら、成果の活用とさらなる研究進展をはかることにある。
上記の目的に照らすと、既往の調査成果全般を広範に紹介する機会を持ってきていることや、幕末藩邸遺跡関連ではその故地の地域での発表や情報交換をおこない得ている点、また、海外での踏査についても検証を継続している状態にあることから、地域との連携も含めた成果の活用や比較研究は順調に進捗をみていると自己評価したい。
これに加えて、昨年度実施した遺跡物理探査地点において、本年度は学術発掘調査を実施できた。また、外部への発表には至っていないが、関連する既発掘調査資料の再整理を継続的に実施しており、未発表の資料は資料化を継続的に進めている。このように、最終報告書として発表する準備をおおむね整えることが出来ているという点でも、進捗は順調であると考えている。

Strategy for Future Research Activity

最終年度にあたることから、①最終成果報告書の作成②成果の紹介と活用のための広報、を軸に活動を推進する。
①については、期間中に実施した調査の報告と、研究課題に関連して分担者各自が実施した研究の論考を掲載する。前者にかかわる調査報告は、幕末期土佐藩白川邸関連の既発掘資料の再整理、遺跡物理探査と探査地点の発掘調査、についてを中心としながら、その他の未報告史資料についても、公開可能なものは積極的に掲載紹介する。
②については、京都大学総合博物館における展示と解説リーフレットの作成、講演やワークショップといった展示関連行事など、が活動の中心となる。
上記に加え、研究期間中には、考古学・文献史学の関連研究者との連携のみならず、大学周辺地域における一般市民の文化活動とも接点が生じてきている現状をふまえて、地域文化財を仲立ちとした持続的な地域連携に向けた多様な活動を立案し、実施することを目指したい。

Causes of Carryover

2023年度は、コロナ禍による制限が5月までは継続している状況にあり、大規模な対面集会や資料調査などは年度後半期に本格化したため、当初見こんでいた旅費の執行がやや少額で抑えられることになった。また、発掘調査の実施に関して、遺跡の遺存度や出土遺物の少なさなどから、整理作業などに予定した経費負担が軽減された。これらの理由により、繰り越される助成金が生じた。
今年度の研究計画としては、報告書刊行と成果公開のための展示活動が柱となっており、ともに、まとまった経費執行が求められるものである。当初請求に加えた助成金は、これらの活動を安定円滑に実施するだけでなく、内容の充実へと活用を計画するものである。

Remarks

講演等は以下:
内記理「玄奘が訪れたタキシラとはどこか 」iCoToBa第11回グローバルセミナー 2023年12月20日愛知県立大学/千葉豊「考古学から見えてきた白川道」吉田コミニティカフェ第2回(吉田の今と昔)2023年12月23日第四錦林小学校ふれあいサロン/笹川尚紀「土佐藩白川邸について」令和5年度連続講演(さまざまな立場からみる幕末の京都第5回)2024年2月24日高知県立坂本龍馬記念館

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 「塩壺」と俗称されている鉢形製品の検討(下)2024

    • Author(s)
      伊藤淳史
    • Journal Title

      京都大学構内遺跡調査研究年報2023年度

      Volume: 2023年度 Pages: 45~64

    • Open Access
  • [Journal Article] 「タキシラ探索記ー2023年度のパキスタン現地調査― 」2024

    • Author(s)
      内記理
    • Journal Title

      愛知県立大学日本文化学部論集

      Volume: 15号 Pages: 117~142

    • Open Access
  • [Presentation] 尾張藩吉田屋敷に関する再検討2023

    • Author(s)
      笹川尚紀
    • Organizer
      尾張藩社会研究会
  • [Presentation] 京都大学構内遺跡における尾張藩邸関連の発掘調査成果2023

    • Author(s)
      伊藤淳史
    • Organizer
      尾張藩社会研究会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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