2022 Fiscal Year Research-status Report
成川遺跡の研究-薩摩半島南端の弥生・古墳時代の人と埋葬文化を探る-
Project/Area Number |
22K00992
|
Research Institution | Kagoshima Women's Junior College |
Principal Investigator |
竹中 正巳 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 教授 (70264439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 智和 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (70244217)
中村 直子 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 教授 (00227919)
寒川 朋枝 鹿児島大学, 埋蔵文化財調査センター, 特任助教 (30526942)
宮城 弘樹 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (70757418)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 成川遺跡 / 立石 / 土壙墓 / 土器 / 鉄器 / 古人骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
南九州南西諸島の古人骨資料の時代的・地域的空白を埋めるために指宿市の成川遺跡(弥生~古墳時代)の発掘調査を2019年から2022年度まで、4回にわたって行った。調査成果は、調査区内に成川遺跡の特徴である立石が検出されたこと、立石の周囲に重層的に土壙墓(古墳後期~弥生時代の墓)が営まれていること、1950年代に行われた発掘調査同様、弥生時代の壺が立石の根元に供献されていることなどを確認できたことであった。 4回の成川遺跡の発掘調査で出土した遺物の整理復元作業と遺構や発掘調査で得られたデータの整理を進めた。出土した遺物は土器、鉄器、古人骨であり、注記作業は終わった。鉄器は保存処理作業に入った。古人骨については、クリーニングと復元を終え、観察と一部計測を行った。成川の発掘調査で、古墳時代後期には再葬が行われたことを確認している。また、保存の比較的よい人骨も得ており、遺存する古人骨を詳細に検討する作業に入っている。出土した人骨の中に。弥生時代の人骨が含まれるか検討を行っている。 土器は出土数が膨大で、土器の整理作業に時間を要している。圧痕調査を行い、弥生時代の土器で圧痕を確認した。接合する破片を探し、接着の作業を始めている。遺構のデジタル図面化、撮影写真の整理作業も進行中である。 比較資料を得るために、西之表市教育委員会(種子島)に保管されている、土器や獣・魚骨および古人骨の調査を行った。また、枕崎市松之尾遺跡、山ノ口遺跡(鹿児島県錦江町)の資料収集も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成川遺跡から出土した土器片の数が膨大で、土器の整理作業に時間を要しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
特に出土土器の整理作業が進むことが、本研究の進展と密接に関係している。そのため、土器の整理・復元および研究に、研究費を多く使用し、資料化作業を進めて行く。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染拡大により、出張しての調査研究が行いづらい状況にあったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額も合わせ、2023年度は調査研究を進める。
|
Research Products
(8 results)