2022 Fiscal Year Research-status Report
土器内部に残存する煮炊き情報の理化学的メタ解析手法の開発
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22K01003
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
青山 洋昭 琉球大学, 研究基盤統括センター, 特命講師 (20468078)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 土器利用 / 質量分析 / DNA解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年台頭してきた新たな解析技術(次世代シーケンシング、超高分解能質量分析)を活用し、土器内部に残存した微量の「痕跡」から、直接的に利用の情報を取り出し解析する手法を開発する。これによって「利用」において多くの謎が残されていた土器研究に新たな展開を与えると共に、これまで出土した後に死蔵されがちであった土器片の埋蔵文化財としての新たな活用方法の提案を目指す。 令和4年度は予備的な実験としてテストピース(土器片)を用いた解析手法(DNA解析、質量分析)の検証を実施した。テストピースを作成準備した上で、煮炊きが想定される各種試料(動物・植物・穀物等)をテストピースと共に処理(煮炊き)した上で、テストピースの粉体からDNA並びに有機化合物を抽出・解析するための各種条件検討(溶媒・解析条件等)をおこなった。また実際の土壌に埋没・保持することでの影響の検証を進めた。その結果、テストピース内部に浸透した資料成分の一部を検出可能であることを確認した。また埋蔵条件化でテストピース内の成分変化を検証するための実験も進行中である。また実際の解析に備えた考古資料の情報収集、並びに現物確認等を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は様々な利用食材に特徴的なマーカーの特定を含めた安定的な解析技術の確立を目指していたが、明確なマーカー等の特定には至っていない。またテストピースの準備作成、並びに煮炊き実験環境の整備等に想定以上の時間を要したこと、ならびにDNA分析並びに質量分析における最適条件の検証等に時間を要し、解析データの蓄積並びにその分析に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度もテストピースによる解析手法の検証(各種条件検討とデータの蓄積)を推進し、手法としての有効性並びに安定性を確立する。その上で、実際の考古資料を用いた解析を実施する予定である。その資料としては琉球大学博物館が所蔵している土器片資料(グスク時代、沖縄貝塚時代)の内、煮炊きに使用した可能性の高い資料(底部に使用痕(焼跡)が存在する等)を使用する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響や半導体不足等により実験補助者や解析用PCの準備確保等が進まず、計画通りに予算の執行ができなかった。生じた差額は、円安等の影響で増加が想定される物品費に充てると共に、実験補助者の確保並びにデータ解析環境の整備に充てることで、研究の進捗状況の遅れに対応する。
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