2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Regional Education Programs based on Chibanian Studies for People with Disabilities to Enjoy Museums
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22K01021
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
丸山 啓志 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (90805756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 明日香 岐阜大学, 地域協学センター, 准教授 (80768771)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | チバニアン / 博物館 / アクセシビリティ / 地域学習 / 特別支援 / 3Dデータ / インクルーシブ化 / 復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに、前年度に収集した3Dデータなどを元に、3Dプリンターで、ナウマンゾウ骨格などの縮小模型の製作を行った。合わせて、千葉県立中央博物館令和5年度特別展 「よみがえるチバニアン期の古生物」を開催し、そこで、チバニアン期の大型哺乳類(ヤベオオツノジカやステラーカイギュウなど)の実物大復元画などの製作を行い、コンテンツの拡充を図った。次に、本来、前年度実施予定であった、盲学校における授業を行った。調整の結果、当初のターゲットであった小学部ではなく、中高等部の生徒を対象に、チバニアン関連プログラムを千葉県立中央博物館で実施した。このプログラムは今後のコアプログラムの基礎となるため、プログラムの組み立ての段階から、盲学校の教員の意見も取り入れた。最終的に実施したプログラムは、「博物館はどういった施設か」、「チバニアン期という時代にどんな生き物がいたのか」という2つのテーマで臨み、博物館の展示室および実物標本やレプリカ、これまでに作成したコンテンツである実物大復元画などを活用し、通常盲学校の授業で重視される触覚に加えて、歩くなどの体性感覚にも訴えかけるようにした。授業実施後も、生徒や教員にアンケートをとることで、振り返りを行った。概ね好評を博し、今後のプログラム実施に向けて大いに期待の持てる結果となった。さらにこの盲学校の中高等部での実践を元に、各方面で報告や記事を執筆し、広く意見を求め、今後の実践におけるフィードバックを受けるようにした。次年度については、盲学校の小学部でも授業が実践できるように、調整も行った。そして、今年度、コアプログラムの礎ができたので、次年度は、盲学校でのコアプログラムのブラッシュ・アップを行うとともに、遠隔地にあるような一般学級でプログラムを実践することによって、インクルーシブ化をより積極的に行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この2年間において、視覚に訴えるだけでなく、体感でも把握しやすい原寸大のチバニアン期の古生物の復元画や、触ることのできる化石・模型など、チバニアンに関する基本的なコンテンツや教材を製作できた。プログラム開発においては、盲学校の中高等部を対象に開発を行い、当事者や教員の意見をフィードバックすることができ、かなり進展した。 一方で、来館が困難である遠隔地にある一般学級に対しては、実践ができなかった点や、オンラインプログラムの開発についてはまだ着手できておらず、プログラムのインクルーシブ化という点においては遅れているといえる。 そのため、予定よりも進んだ部分もあるが、コアプログラムのインクルーシブ化に遅れがあり、ただし挽回を見込める状況であるため、事業全体としてはやや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
チバニアンに関する基本的なコンテンツや教材を元に、中心となるコアプログラムの基礎を築くことができた。今後は、コアプログラムのブラッシュアップを図るとともに、遠隔地の一般学級などで実践を行うことで、プログラムのインクルーシブ化を図る。 上記については、主にオンサイトでのプログラムであったが、並行して、オンラインでのプログラムについても取り組み、来館の難しい層を中心とした、幅広い層にチバニアンをきっかけとして博物館を楽しんでもらえるようにする。 上記のプログラムの実践に合わせて、アンケートや当事者への聞き取りを行うことで、その結果を踏まえて改良に取り組んでいく。また、マイノリティの方にもアクセシビリティの向上に対する課題を見つけ、最終年度として、問題点の整理を行なっていく。
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Causes of Carryover |
今年度は、当初の予定よりも、実践のために出かける機会が少なく、旅程の変更があった。そのため、次年度使用額が発生してしまった。次年度においては、プログラムの開発や評価、普及における各地へ出かける旅費として、この次年度使用額を使用予定である。
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Research Products
(8 results)