2023 Fiscal Year Research-status Report
The evaluation of policy for retail areas during the Post-Corona era in UK and France
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22K01043
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
根田 克彦 奈良教育大学, ESD・SDGsセンター, 研究部員 (50192258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 里美 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (00446030)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新型コロナ感染症 / タウンセンター / 農山村地域 / 持続可能な地域形成 / 関係事項 / CRM / ポストコロナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、根田は、2023年9月にイギリスでノッティンガムとロンドンを調査した。ノッティンガムでは、日本の中心市街地に相当するシティセンターと、郊外住宅地にある1地区のタウンセンター、3地区のディストリクトセンターの土地利用とコロナ対策を調査した。次に、ロンドンでは、世界的ショッピングストリートであるオックスフォードストリートと、インナーシティの商業集積地であるブリックレーンの土地利用とコロナ対策を調査した。飲食店に関しては、マスク着用のポスターを張っているところはあったが、コロナ対策はほとんどなかった。イギリスの商業集積地では、個々の事業所レベルでのコロナ対策は、ほぼ終了したといえる。さらに、本年の土地利用調査とコロナ前に行った土地利用調査を比較して、ポストコロナにおける商業集積地の変化を分析中である。 大和は、近年ローカルベンチャーの村として知られるようになった岡山県西粟倉村を調査対象として、コロナ禍における国内の農山村地域の持続可能な地域形成に向けた政策について検討した。西粟倉村は、多くの中山間地域同様、人口減少や高齢化が進展する中で、移住促進や関係人口の拡大に取組んできたが、新型コロナ感染症の拡大によって村外との交流が制限されることとなった。リアルな場での交流が難しくなる中で、自治体としては初めて関係人口アプリを導入して関係人口ネットワークの構築と維持・管理を行った。新型コロナ感染症は、特に若い層を中心に都市部から地方へと目を向ける契機となっただけでなく、関係人口アプリのようなICTを導入することで、企業のマーケティング手法であるCRM(Customer Relationship Management)を活用することが可能となり、地域へのロイヤリティ高い地域外の人財を選別し、関係性を深めて価値共創を行うことによって、地域の持続的発展に繋がる価値を生み出していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
根田は、2023年9月にイギリスでノッティンガムとロンドンを調査した。ノッティンガムでは、日本の中心市街地に相当するシティセンターと、郊外住宅地にある1地区のタウンセンター、3地区のディストリクトセンターの土地利用とコロナ対策を調査した。次に、ロンドンでは、世界的ショッピングストリートであるオックスフォードストリートと、インナーシティの商業集積地であるブリックレーンの土地利用とコロナ対策を調査した。さらに、本年の土地利用調査とコロナ前に行った土地利用調査を比較して、ポストコロナにおける商業集積地の変化を分析中である。 以上の分析の結果、イギリスでは個々の事業所レベルでは、ポストコロナとしての対策を行っているとはいいがたく、コロナ前に戻ったといえる。商業集積地の業種構成と事業所の変化に関してはまだ分析中であるが、小売店からサービス施設への変更の傾向がある。コロナ期におけるネットショッピングの普及により、ネットで代替できる物販店から、体験をともなうサービス施設中心に商業集積地が変化していることを指摘できるかもしれない。 大和については、以下のとおりである。 国内については、予定通り調査を行い、研究成果を発表した。 フランスに関しては、ナントにおける観光産業支援の事例を調査するべく連絡を取ったが、資料などもすでになくオリンピック対応で多忙とのことで、2024年度のフランスに関する研究は断念した。 なお、根田と大和は、来年度に向けて予算を繰り越しているが、これは渡航費が急騰しているので、最終年度の渡航費の不足分を埋めるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
根田は、来年度中にノッティンガムとロンドンの調査結果をまとめ、さらに、2月にイギリスで捕捉調査を行う。その成果を、2025年3月の日本地理学会で発表する予定である。 大和は、文献調査を中心に調査を進めた上で、パリ・オリンピックの終了を待ってフランスでの調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
大和は、ナントにおける観光産業支援の事例を調査するべく連絡を取ったが、資料などもすでになくオリンピック対応で多忙とのことで、2024年度のフランスに関する研究は断念した。そこで、渡航費用は次年度に繰り越しとなった。 根田は、57.000円を繰り越したが、これは、次年度の渡航費確保のためである。 新型コロナ感染症とウクライナ紛争,および極端な円安のために,海外における渡航費用と宿泊費用が著しく高騰して、最終年度の予算だけでは十分な調査ができない状態に陥っている。そこで、少しでも最終年度で調査ができるように、大和と根田は、最終年度の渡航費を確保する算段をした。
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