2022 Fiscal Year Research-status Report
マイノリティの地域認識・地域理解ー地理教育による持続可能な社会の担い手の育成 ―
Project/Area Number |
22K01056
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
池庄司 規江 茨城大学, 教育学部, 准教授 (90420661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀美 雅弘 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60185709)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 地理教育 / 地域認識 / 地域理解 / エスニック・マイノリティ / 地域言語話者 / フリジア人 / ドイツ系ハンガリー人 / 南チロル人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(エスニック・)マイノリティの人びとのうち、①言語的少数派(地域言語話者)である人々と②移民した人々の子孫である児童生徒の地域認識・地域理解を解明することで、ヨーロッパにおける地域主義の動向、およびエスニック・マイノリティにとっての地理教育の意義を検討することを目的としている。国内外においてエスニック・マイノリティ関連の統計資料は限られているため、現地調査を重視してオリジナルな分析資料の入手に努めている。 令和4年度は3年の研究期間における最初の年度であった。研究代表者である池庄司はオランダ、研究協力者の加賀美はハンガリー/イタリアでの現地調査を予定していた。しかし、新型コロナ感染症の影響により、池庄司は研究内容を変更せざるを得なかったほか、加賀美は当該年度の現地調査を断念した。 池庄司は、当初の予定を変更し、ラントスタット内の中等学校を訪問して教育課程全体のカリキュラムおよびその中の地理教育の位置づけについて聞き取りを行ったほか、地理教育の教科書・ワークブックを閲覧した。また、次年度のフリースラント州の小学校での調査のためにレーウワールデン市役所等を訪問して地域言語話者の地域認識・地域理解についての調査・研究に対する協力を依頼した。 エスニック・マイノリティという切り口からの地理教育の在り方を模索した研究は管見の限りない。しかし、グローバル化の進展とともに母国を離れて教育を受ける子どもたちやダブルルーツ/マルチルーツの子どもたちは増加の一途にある。こうしたマルチ・エスニックな環境を学校教育、とりわけ地理教育に活かすためのヒントを探るうえで、本研究の果たす役割は大きい。初年度のオランダでの現地調査により、次年度以降の調査準備が整うとともに、オランダにおける中等教育における地理教育の一端が見えたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症により当初計画していた国外出張の一部を断念せざるをえず、ハンガリー/イタリアでの現地調査は延期とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の池庄司については、オランダにおける現地調査を継続して行う。研究分担者の加賀美については、ハンガリー/イタリアにおける現地調査に取り組む。なお、新型コロナウイルス感染症の影響で当初予定していた国外出張の一部を次年度に繰り越したことにより、次年度分として請求した助成金の一部と合わせて使用するよう計画を変更する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により当初計画していた国外出張を一部断念せざるをえず、ハンガリー/イタリアでの現地調査を延期としたため。また、原油価格の高騰に加えてロシア上空の飛行取り止めにより、日本欧州間の航空券代が高騰していることを鑑み、次年度以降の現地調査に関わる航空券代を捻出する目的で、直接経費のうち「物品費」および「その他」を必要最低限に抑えて使用した。次年度は、研究分担者による現地調査を令和4年度分に加えて令和5年度分を9月と2月に実施する予定である。また、令和4年度の「物品費」および「その他」の支出を抑えた分においては、令和5年度の旅費(航空券代)として使用する。
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