2023 Fiscal Year Research-status Report
「ともに生きる」ことの文化人類学的研究:福島原発事故後の海を事例として
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22K01083
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
高橋 五月 法政大学, 人間環境学部, 教授 (50791084)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 海 / サステイナビリティ / 不確定性 / 漁業 / 福島 / 共生 / 寄生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、福島第一原発事故後の海を事例に、不確定で不安定な海とともに生きるとはどのような実践であるのかを文化人類学的に考察することが目的であるが、2年目である2023年度は、日本国内およびアメリカとカナダにおける現地調査とマルチスピーシーズ民族誌関連の文献調査を進めた。特に、2023年8月から開始された処理水の海洋放出に関する調査および「ともに生きる」というテーマと「寄生」との関連性についての考察を深めることができた。日本国内の現地調査では、茨城県・福島県の漁業者・漁業関係者への聞き取り調査に加え、廃炉資料館、水族館、寄生虫館、科学博物館にて参与観察および聞き取り調査を行うことができた。また、米国シアトルとカナダトロントの水族館で実施した参与観察では、水生生物展示をとおした海の持続可能性の探究方法について有益な知見を得ることができた。加えて、2023年度は投稿論文2本の出版と国際学会における2度の口頭発表を通して、これまで実施した現地調査および文献調査を踏まえた研究成果の発表をすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、本研究課題の2年目として計画していた研究目標をおおむね達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、処理水の海洋放出開始から2年目を迎えて、処理水と共に生きることの実践や議論に関する調査研究をさらに進める予定である。また、「寄生」という観点をとおして不確定な海と「共に生きる」とはどのような実践であるかについて考察をすすめ、その結果を随時学会およびワークショップ等で発表する予定である。
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