2023 Fiscal Year Research-status Report
補完的保護制度に関する日本とオーストラリアの比較研究ー国内法と国際人権法の共同
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22K01130
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
坂東 雄介 小樽商科大学, 商学部, 教授 (50580007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 裕子 (小坂田裕子) 中央大学, 法務研究科, 教授 (90550731)
安藤 由香里 富山大学, 学術研究部教養教育学系, 教授 (20608533)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 難民 / 補完的保護 / ノン・ルフルマン |
Outline of Annual Research Achievements |
坂東は、2023年度は、国際人権規範を取り組んで立法化したオーストラリア難民法における補完的保護の分析を行った。既に論文の大半は執筆済みであり、2024年度に公表を予定している。 国内法制度の分析として、坂東は、「日本版補完的保護のゆくえ」(東北大学東北アジア研究センター公開講演会、2024年2月10日)では、オーストラリア法と比較しながら2023年に改正された日本の補完的保護が国際人権規範を取り込んだものとは異なることを指摘した。さらに、坂東は、日本大百科全書(ニッポニカ)にて、「強制送還」「出国命令」「退去強制」の項目を執筆した。これらは入管法上の仕組みを解説するものであり、補完的保護の関係を整理する意義がある。 引き続き、外国人に対する支援者に対する調査を通して、難民保護の現場の状況を明らかにした。2023年度に公表した実績として、坂東の単著として、「知られざる入管の姿を記録する書」(法学セミナー68巻11号122-123頁(2023))、坂東、小坂田、安藤の共著として、「RAFIQ <在日難民との共生ネットワーク>に聞く-難民支援の実態に関するインタビュー調査-」(商学討究 74(2・3)137-170頁(2023))がある。前者は、入管収容に対する支援を記録した著書の書評であり、その中で、2023年改正された入管法の問題点を指摘した。また、後者は、難民支援を行っている団体に対するインタビュー調査であり、これを通して、難民支援の実態や実務上の問題点を示すことができた。 さらに、小坂田、安藤は、北村泰三、中坂恵美子と「開かれた入管・難民法をめざして 入管法「改正」の問題点」(日本評論社, 2023)を執筆した。この著書では、2023年に導入された日本の補完的保護制度がノン・ルフルマン原則に基づく国際人権法が定めるものと乖離があることを指摘している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際人権法に基づく補完的保護の内容を明らかにすることは既に大半が済んでおり、2023年度は日本の入管法における補完的保護の分析も行った。ただし、オーストラリアの補完的保護の研究は、大半は執筆済みであるものの未公表のため、この評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度であり、国際人権法を取り込んだオーストラリアの補完的保護制度と日本法との比較を行い、日本法への示唆を探ることを研究目的とする。具体的には、以下の活動を行う予定である。第1に、オーストラリア難民保護制度における補完的保護制度に関する論文を公表する。第2に、2023年度に行った東北大学における報告内容を公表する際に、この研究成果との対比を行いながら、研究目的を達成する。第3に、研究目的を達成するために、引き続き共同研究者と密接に連絡を取り合う。第4に、学会・研究会報告などの機会を通して他者からの批評を仰ぎ、論文のブラッシュアップに努める。
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Causes of Carryover |
オーストラリアに調査出張に行く予定であったが、家庭の事情及び勤務校の事情により実現できなかったため、旅費が余ることになった。代わりにオンラインによる打ち合わせを行い、余った分はオーストラリア法の書籍の購入に充てたが全てを使用することはできなかった。それでも余った分は次年度に行うことに変更した調査出張の際に用いる予定である。
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Research Products
(12 results)