2022 Fiscal Year Research-status Report
The Territoriality and Non-territoriality of Cyberspace: A Dynamic Approach to International Law on Data Governance
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22K01181
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
黒崎 将広 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 教授 (10545859)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 国際法 / サイバー / データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「一般法制度を排除する特有の法制度がサイバー空間には存在するか」という問題意識の下、デジタル化されたデータの持つ地理的特性をめぐる空間的把握の問題――データ流通に国境は存在するかという問題――が、領域性原理を基礎とした既存の国際法のサイバー空間への適用にどのような影響を与えるのかを個別規則の検討を通じて明らかにすることで、データ利活用に向けた国際法規制のあり方に対する一つの視座を提示することを目的とするものである。
本年度の研究実績としては、(1)サイバー空間に適用可能な国際法の領域性問題(2)データの越境移転問題、に大別することができる。(1)については、今年度、英国王立国際問題研究所(チャタムハウス)、シンガポール国立大学、テンプル大学、シンガポール司法長官室等が主催するサイバー国際法に関する学術会議で意見発表と交換を行った。 (2)については、経済産業省主催の「データの越境移転に関する研究会」の有識者委員を務めており、そこで報告する等、他の有識者および関係官庁の担当官との交換を行った。
本年度における主な研究成果の出版についは次の通り:(1)「無人化技術と海上法執行──『海の次世代モビリティ』のための海洋法政策とその課題」奥脇直也=坂元茂樹(編集代表)『海上保安法制の現状と展開──多様化する海上保安任務──』(有斐閣、2023年);(2)「ウクライナIT軍と戦闘員資格──サイバー武力紛争法の再確認か発展か──」『国際法研究』第11号(2023年3月);(3)(翻訳)「サイバー空間における責任ある国家の行動に関する報告書」植木俊哉=中谷和弘『国際条約集 2023年版』(有斐閣、2023年3月17日)等。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、当初より想定された、研究調査とその成果報告・意見交換といった実施計画をすべて達成することができた。このため、本研究プロジェクトは、おおむね順調に進展していると判断した次第である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度に参加した国際・国内会議での報告の出版を目指して執筆活動を継続しつつ、さらなる研究調査を進めたい。
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