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2022 Fiscal Year Research-status Report

刑事精神鑑定の実地状況に関する調査・研究-ガイドラインの策定をめざして

Research Project

Project/Area Number 22K01199
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

五十嵐 禎人  千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 教授 (40332374)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords精神鑑定 / 司法精神医学 / 刑事訴訟法
Outline of Annual Research Achievements

刑事精神鑑定は、刑法・刑事訴訟法をはじめとしたさまざまな関連法規とも関係するものであり、精神医学と法律学の学際領域の課題である。医療観察法や裁判員裁判法の施行に伴い、刑事精神鑑定をめぐる新たな議論が行われ、刑事精神鑑定における法曹と精神科医との間の役割分担は明確となった。しかし、刑事訴訟法に基づく鑑定留置中の被鑑定人の処遇については、その実態を含め不明な現状にある。刑事訴訟法に基づく鑑定留置に類似する医療観察法鑑定入院中の対象者の処遇については実務で参照可能なガイドラインが示されているのに対して、精神科病院に鑑定留置中の被鑑定人については、ガイドラインは存在しない。鑑定留置は、被鑑定人の身柄を拘束して行われるものであり、刑事訴訟法に基づく鑑定留置の現状は、被鑑定人の人権擁護の観点からも見過ごすことはできない。
本研究は、刑事訴訟法に基づく鑑定留置の実態を明らかにし、鑑定留置中の処遇に関する鑑定人の懸念や対処方法に関する意見を聴取したうえで、刑事精神鑑定の実施に造詣の深い、精神科医と法律学者・弁護士とが協働して、刑事訴訟法に基づく鑑定留置中のあるべき姿について検討し、刑事訴訟法に基づく鑑定留置中の被鑑定人の処遇に関するガイドラインの策定を行うことを目的としている。
令和4年度は、各地で刑事精神鑑定を行っている若手を中心とした日本司法精神医学会会員の精神科医を研究協力者として、研究班を組織した。研究班会議で、研究協力者各位の刑事精神鑑定の経験、鑑定留置、特に精神科病院への鑑定留置の実施状況、鑑定留置中に感じた法的・倫理的な問題やその解決方法などについて議論を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究班会議を開催し、刑事精神鑑定の実施状況、鑑定留置中に感じた法的・倫理的な問題に関する論点について議論を行い、現状の課題を明らかにしたが、令和5年度実施予定のアンケート調査の調査項目確定にまでは至らなかったため。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度は、研究班会議を開催し、アンケート調査の項目を検討し、調査票を確定したうえで、日本司法精神医学会会員を対象としたアンケート調査を実施し、鑑定留置を伴う刑事精神鑑定の実施状況や鑑定留置中の被鑑定人の処遇の実態を把握し、鑑定留置中の被鑑定人の処遇に関する鑑定人の懸念やそれに対する対処法に関する意見を把握する。また、諸外国における刑事精神鑑定に関するガイドラインやその運用状況について調査を行う。
令和6年度は、前年度までに行ったアンケート調査の結果ならびに諸外国における刑事精神鑑定ガイドラインに関する調査結果に基づいて、研究班会議で検討を行う。研究班会議には、精神科医だけでなく、刑事精神鑑定に造詣の深い法律学者・弁護士にも参加を要請し、そこでの議論をもとに、刑事訴訟法に基づく鑑定留置中の被鑑定人の処遇に関するガイドラインの策定を行う予定である。

Causes of Carryover

研究班会議を開催したが、コロナ禍の影響も考えオンラインでの開催となった。そのため、次年度使用額が生じた。これらの費用は、令和5年度に実施予定のアンケート調査や諸外国における刑事精神鑑定に関するガイドラインやその運用状況について調査の実施に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 責任能力の判定と処遇のためのアセスメント 刑事責任能力鑑定と医療観察法鑑定をめぐって2022

    • Author(s)
      五十嵐禎人
    • Journal Title

      司法精神医学

      Volume: 17 Pages: 24-32

  • [Presentation] 出院者の支援に関するクライシスプランを用いた実践事例.2022

    • Author(s)
      東本愛香,西中宏吏,野村照幸,五十嵐禎人
    • Organizer
      第18回日本司法精神医学会大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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