2023 Fiscal Year Research-status Report
保証契約における詐欺の成立要件の再検討-フランス法からの示唆
Project/Area Number |
22K01225
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 和子 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (90508384)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 保証契約 |
Outline of Annual Research Achievements |
「複数契約における錯誤・詐欺の判断について(上)」筑波ロージャーナル35号1頁-17頁を執筆した。本論稿では、複数の契約により構成される取引で錯誤・詐欺が問題となった多くの例を取り上げた。その中で保証取引についても取り上げた。 債権者が詐欺を行ったかが問題となった例に関する資料収集を行った。債権者が問題となる説明や対応をしたかが問題となった例が多くあった。 主たる債務者が詐欺を行い保証人が錯誤に陥った場合、善意の債権者を保護するため、96条2項が適用・類推適用できるかが問題となった例など、主たる債務者の詐欺に関する例についての資料収集も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究以外の研究や研究以外の仕事に予想以上の時間を使ってしまい、その結果、本研究の遂行(資料収集や資料分析、研究成果発表)に多くの時間を使うことが難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に分析・検討を行った詐欺に関するフランス法について、2023年度にその成果を公表する予定だったができなかった。本年度に成果の公表をすることを目指す。 2023年度に行った日本法の裁判例・学説の検討は不十分なものである。この検討を本年度も継続する必要がある。 本研究の遂行のためには、保証取引の構造の分析や保証取引と類似の制度との比較も必要不可欠である。この検討も追加して行う予定である。
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