2022 Fiscal Year Research-status Report
Principles of Freedom of Contract and Challenges of Modernization in German Contract Law
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22K01242
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
中田 邦博 龍谷大学, 法学部, 教授 (00222414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶌 英弘 京都産業大学, 法学部, 教授 (70216646)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ドイツ法 / EU法 / UWG / デジタル化 / デジタルプラットフォーム / 現代化 / 不正競争防止法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の計画に従って、研究作業を行った。第1に、ドイツ契約法の現代化の過程の分析を継続した。その際、デジタル化の要請にどのような対応をしているのかという点を意識して分析を行った。EUの現代化指令、消費者権利指令、オンライン・デジタルコンテンツ契約、動産売買指令等のドイツ法(とくに契約法、UWG)への影響にも着目し、必要な文献を収集した。第2に、契約法的な観点から、インターネット取引の法的構造の解明を行い、プラットフォーム仲介者の法的責任のあり方の分析を継続した。この問題に関する研究者ネットワークを形成し、情報を収集し、共同研究を組織し、分析を行った。第3に、EU不公正取引方法指令の改正がもたらす現代化・デジタル化への対応としてのドイツ不正競争防止法の改正内容について分析した論稿を公表した。 また、次のような具体的な作業も継続した。①ドイツ契約法の現代化現象の分析を、ドイツ契約法と消費者法との関係、とりわけ私法理論との関係に着目して行った。これらの成果を前提とし比較法な知見を生かして日本法の分析を継続した。②ドイツ契約法の現代化現象としてヨーロッパ的なレベルでの展開を理解するために、ケッツ『ヨーロッパ契約法〔第2版〕』の翻訳作業に継続して取り組んだ。③デジタルプラットフォーム取引に関する問題、とくに責任の理論問題について検討を行った。その成果の一部について公表し、これに関連する比較法研究を組織した。④ドイツ法やEU法の最新の動向に関する情報収集のためにマックス・プランク外国私法・国際私法研究所およびヨーロッパ法研究所(ELI)での研究会に参加し、それらを通じて人的ネットワークを発展させた。ブッシュ教授とのデジタルプラットフォーム研究について意見交換を行い、国際的な共同研究作業を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響も限定的となり、国際的な交流を行い、比較法的な研究を進めることができた。また、EU法の現代化、デジタル化によって、ドイツ法もそうした方向性を取り入れ、公正な契約の在り方を模索しており、大きな変化をみいだすことができた。研究会も開催しており、比較法学会および日本消費者法学会での報告も準備している。
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Strategy for Future Research Activity |
ブッシュ教授との国際共同研究を基軸に、国際的な交流を進め、デジタルプラットフォーム取引の契約関係をヨーロッパ法やドイツ法的な視点から検討する。学会報告を行い、学会および実務に寄与することを行う。定期的な研究会およびセミナーを通じて、共同研究を促進する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、海外出張等については前年度の繰越しの研究費を利用することができた。そのため、残額が生じた。今年度は、残額を本研究により、積極的に海外との交流を深めると共に、より共同研究を充実させるために外国人研究者の招聘や交流のために使用する。
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