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2022 Fiscal Year Research-status Report

法人・役員の主観的リスクとその保険・補償

Research Project

Project/Area Number 22K01269
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

竹浜 修  立命館大学, 法学部, 教授 (40188214)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村上 康司  愛知学院大学, 法学部, 教授 (30589320)
土岐 孝宏  中京大学, 法学部, 教授 (70434561)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords賠償責任保険 / 企業の賠償責任 / 会社役員の損害賠償責任 / 役員賠償責任保険 / 中小企業の保険契約
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、当初計画に基づき、まず、中小企業における保険契約の利用実態を把握すべく、各研究者の地元の商工会議所や中小企業団体中央会などの中小企業関係団体に電話等により聞き取り調査を行ったが、本研究に利用可能な情報を得ることはできなかった。個別の企業の対応を数字で示すことの困難やそもそもそのような集計数字がないこと、あるいは仮にそのようなデータがあったとしても公開できないとのことから、中小企業側からの保険契約へのアクセスや利用状況を知ることは難しいと判断し、反対方向からの調査を実施することとした。すなわち、損害保険会社側から見た情報を得ることとして、大手の損害保険会社に協力を依頼し、支障のない範囲での協力を可能とする返事を得られた1社から概括的な情報を得ることができた。
たとえば、役員賠償責任保険(以下、「D&O保険」という)の利用については、中小企業レベルでは、ここに注意を振り向けることが少なく、普及の実態は少ない状況である。大規模企業に相当する上場企業にあっても、必ずしも全社がD&O保険を利用しているわけではなく、80%台の利用率とのことであった。他方、製品等の瑕疵に基づく賠償責任などに備えた一般賠償責任保険契約については、中小企業も相当に関心があり、契約率が相応にあることが分かった。もっとも、各企業の業種、業態によってその賠償責任が発生する状況は大きく異なるため、基本約款である賠償責任保険契約に各企業の事業内容に即した特約によって対応するのが通例であった。これに対して、現在は、この賠償責任保険の普及を図るべく、大手の損害保険会社は、賠償責任リスクに対して包括的な補償を提供する、いわば「パック商品」化された保険契約で対応し、その普及に努め、契約率を上げる工夫をしているとのことであった。中小企業側の保険契約内容への理解度を高める上でも有益な方法であると見られる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では、各種の中小企業団体から中小企業の保険契約利用の実態に関して、とくに問題が発生していることの多い事例群などにつき、情報提供を得た上で、これについて保険会社側の対応の聞き取り調査を行う計画をしていたが、中小企業団体からの情報提供が相当に困難であることが判明し、また個別の企業について聞き取りすることも、企業秘密に属する面があって、これまた容易でない状況があった。そこで、中小企業の役員の責任を生じさせる事案に関して、その企業自体の賠償責任を含めて、保険契約の利用実態を把握すべく、種々検討の結果、協力依頼に応じてくれた某大手損害保険会社からの実態についての情報提供がようやく得られたことによって本研究の緒に就くことができた。このため、実際に具体的内容の検討に入る時期が相応に後れを生じることとなった。

Strategy for Future Research Activity

概括的ではあるが、上記のように、損害保険会社から得られた情報等とともに、可能な限り、中小企業側の実情を把握する作業を進めるとともに、わが国の裁判例等の事案の精査を行い、また外国の状況も調査し、その視点からわが国の現状を照射することを考え、ドイツや英米の企業向け保険契約の事例群を検討する面の研究を進めることとする。その上で、まず、まとめられる部分の研究を公表できる形にすることとする。

Causes of Carryover

実態調査に当たって、交通費や謝礼等の支払を見込んでいたが、相手方からの情報提供等を十分に得られなかったこと、および必要な資料の調達がおくれていることから、この部分の支出が少なかったためである。
今後は、入手が遅れている資料の調達と必要な情報提供を得ることに未使用分を充てる計画であり、外国文献等の入手には円安の影響があるので、これを未使用分でカバーする予定でもある。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 会社法改正を受けた会社補償の利用可能性ー中小企業を中心に2022

    • Author(s)
      村上康司
    • Organizer
      愛知学院大学法制研究会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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