• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

Political Meaning of Economic Freedom in Soviet Russia

Research Project

Project/Area Number 22K01328
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

河本 和子  一橋大学, 経済研究所, 研究員 (50376399)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsソ連史 / 計画経済 / 信用 / 割賦販売
Outline of Annual Research Achievements

2023年11月12日(日)に、日本国際政治学会研究大会・分科会E(スプートニク事件の多角的・多面的分析)において、「普遍の科学技術が示した未来としての社会主義」と題する報告を行った。内容的には、科学技術の発展が、ソ連においてどのように取り組まれ、政治経済体制にどのような意味を付されていたかを論じた。スプートニクに象徴される科学技術の発展は、生活水準を向上させ、社会主義の優位を(特にライバル米国との関係で)示すものであり、同時に政治体制を問わず人類全体に貢献するものであった。ただし、科学技術全般を見れば西側が優位との認識があり、西側の進んだ技術を輸入する試みもなされていた。また、「普通の人々のスプートニクーーマスメディアは何を人々に理解させようとしたか」と題する論攷を執筆し、スプートニク打ち上げ後のソ連の新聞による報道の特徴について論じ、『Intelligence』24号(2024年3月)に掲載された。これらの研究において、科学技術が、イデオロギーと生活水準の向上だけでなく、イデオロギーを超えた人類の発展に結びつけられている点は、本科研の研究の成果である。
このほかロシア・東欧学会研究大会において、日本在住のロシア系住民に対する社会学調査に関する報告の討論者を務めた。また、雲和広・T.リトヴィネンコ「人口動態とその諸要因 : サハ(ヤクーチア)における民族と地域的特性」『ロシア・ユーラシアの社会』1068号( 2023年)の英語版を邦訳した。
ロシアによるウクライナ侵攻が継続中であるため、ロシアでの資料収集は断念した。代わりに一橋大学経済研究所資料室で関連する文献を集め、近年刊行された書籍を購入した。このほか、ロシアの論文・雑誌データベースで関連の文献を集めた。いずれの文献・資料も上記の研究で用いた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻し、日本を含む西側諸国が厳しい対ロ制裁を打ったことにより、ロシアにおいて資料収集をすることが非常に困難になった。さらに、利用を予定していたデータベースの1つである「法の科学」は、有料化に伴いロシア国内で発行されたクレジットカードしか受け付けなくなり、事実上使用不能となった。
ゆえに、まずは一橋大学経済研究所資料室で基本的な文献および資料を収集した。加えて、ロシア語論文データベース「サイバー・レーニンカ」や、新たに発見した新聞・雑誌のデータベース「エレクトロネクラソフカ」(ネクラソフカ記念図書館電子版サイト)を利用した。
こうした工夫により、上記の報告と論文執筆が可能となった。

Strategy for Future Research Activity

ロシアの侵攻が終わる様子はなく、2024年度においてもロシアでの資料収集の見込みは立っていない。代替地を検討するが、モスクワにソ連全体の情報が集積されるため、代替地での資料収集が実現したとしても当初予定したような質と量の情報を入手することは困難だと予想される。したがって、公刊資料とアクセス可能なデータベースを用いて引き続き調査を行う。
まずは既に行った報告のうち1つは公刊にたどり着いたので、割賦販売制度導入について2023年3月に行った報告の公刊を目指す。さらに、消費活動に関する規制とそれからの逸脱について文献での調査を引き続き行う。

Causes of Carryover

2022年2月にロシアがウクライナ侵攻し、ロシアに渡航して調査することが困難になったため、海外渡航費を支出しなかったのが最大の要因である。
2024年度においては、図書等の購入や重要論文の複写に支出する。また、学界出席等のための国内出張について支出を見込んでいる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 普通の人々のスプートニクーーマスメディアは人々に何を理解させようとしたか2024

    • Author(s)
      河本和子
    • Journal Title

      Intelligence

      Volume: 24 Pages: 62-71

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 普遍の科学技術が示した未来としての社会主義2023

    • Author(s)
      河本和子
    • Organizer
      日本国際政治学会研究大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi