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2022 Fiscal Year Research-status Report

アメリカの政治過程における「地方ニュースメディアの衰退」が与える影響の包括的分析

Research Project

Project/Area Number 22K01340
Research InstitutionSophia University

Principal Investigator

前嶋 和弘  上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (10350729)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywordsアメリカ政治 / 地方メディア / 政策過程 / 政治コミュニケーション / 政治的分極化
Outline of Annual Research Achievements

本研究はアメリカ全土で急速に進んでいる地方メディアの衰退が政治過程に与える影響について、現地調査を中心に検証するものである。かつて全米は「地方紙のオアシス」といえるほど、地域ごとに複数の新聞社が存在し、地域に根差した量的にも質的にも十分な情報が提供されていた。地域の事情に立脚した情報が、その地域の政治的インフラとなり、政治参加から、政策運営までを支えてきた。しかし、時代は一変し地方メディアの衰退が進み、それが生み出す社会的変化はすでに顕著である。地方紙がなくなった地域では汚職が増え、犯罪も増えている。地方メディアの衰退はかつて強かったかはずのアメリカの地方の政治や地域コミュニティという民主主義の根幹を大きく揺るがしている。
本研究では、具体的には(1)地方メディアの危機的状況の検証、(2)政治的分極化がもたらせた「政治の中央化」と地方メディアの関係の検証、(3)地域政治への影響の検証を行う。
調査の中心となるのが、(1)現地での担当者に向けての質的調査(インタビュー調査)、(2)資料・文献による分析である。特に、本研究が対象とする分野は、学術的蓄積がほとんどないため、現地での調査には重点を置く。インタビューの対象となるのは、全米の地方メディアの現在の職員とそのOB、地方に強いネットワークがある公共放送(PBS,NPRの各局)、地方政治関係者、ファクトチェック団体、非営利メディアに加え、研究者、政党関係者、議会関係者、政府関係者、シンクタンク(ワシントンのシンクタンクだけでなく、地方レベルのシンクタンクも)、社会運動関係者ら多岐にわたる。資料・文献による分析については、単に情報収集をするだけでなく、地方紙が減少していった影響にも留意し、インタビューや参与(非参与)観察などを行うほか、地方紙が消えていく直前の報道の変化などについての内容分析(量的・質的)も進める。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究は5年間を計画している。政治とメディアとの関係は選挙ごとに進化・深化する傾向があるため、この間に2022年の中間選挙、24年の大統領選挙、26年の中間選挙という2つの選挙があるため、それぞれを核に調査を進める。そして日本の学会(日本政治学会、日本マスコミュニケーション学会などを想定)での発表を行うほか、論文や書籍を作成する。

初年度である2022年度については、コロナ禍ということもあり、予定していたアメリカ国内でのインタビュー調査が日程的にも不可能であった。その分、オンラインによるインタビューを重ねて調査を進めた。さらにそのインタビューの準備のための様々な文献を読み進め、整理を進めた。

Strategy for Future Research Activity

初年度である2022年度については、コロナ禍ということもあり、予定していたアメリカ国内でのインタビュー調査が日程的にも不可能であった。その分、オンラインによるインタビューを重ねて調査を進めた。さらにそのインタビューの準備のための様々な文献を読み進め、整理を進めた。今後についてはまずアメリカ国内でのインタビュー調査、非参与観察などに重点を置いて進める。
22年度末には本研究とは別の日程で渡米でき、人脈も広げることができたため、23年度からの対面におけるインタビューなどの準備となっている。

Causes of Carryover

初年度である2022年度については、コロナ禍ということもあり、予定していたアメリカ国内でのインタビュー調査が日程的にも不可能であった。その分、オンラインによるインタビューを重ねて調査を進めた。そのため渡航費を計上していない。また、インタビューの準備のための様々な文献を読み進め、整理を進めたが、それについても既存の所有の文献や大学のデータベースを22年度中は利用した。

  • Research Products

    (9 results)

All 2023 2022

All Journal Article (3 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results) Book (4 results)

  • [Journal Article] 「2022年中間選挙と今後のアメリカ政治・外交」2023

    • Author(s)
      前嶋和弘
    • Journal Title

      『海外事情』

      Volume: 71 Pages: 82-96

  • [Journal Article] 「バイデン政権と民主主義:選挙改正をめぐる対立」2022

    • Author(s)
      前嶋和弘
    • Journal Title

      『国際情勢紀要』

      Volume: 92 Pages: 33-40

  • [Journal Article] 「座談会 Is America Back?:アメリカの覇権の現在」2022

    • Author(s)
      前嶋和弘, 久保文明, 佐藤丙午, 越智博美
    • Journal Title

      『アメリカ研究』

      Volume: 56 Pages: 1-28

  • [Presentation] “American Domestic Politics and U.S.-Japan Relations"2023

    • Author(s)
      前嶋和弘
    • Organizer
      SMU Tower Center and its Sun & Star Program on Japan and East Asia. Southern Methodist University
  • [Presentation] 「日本におけるアメリカ研究の現在」2022

    • Author(s)
      前嶋和弘
    • Organizer
      カルコン(日米文化教育交流会議)シンポジウム
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Book] 『アメリカ政治』2023

    • Author(s)
      岡山 裕、前嶋 和弘
    • Total Pages
      274
    • Publisher
      有斐閣
    • ISBN
      978-4-641-15105-5
  • [Book] 『キャンセルカルチャー:アメリカ、貶めあう社会』2022

    • Author(s)
      前嶋 和弘
    • Total Pages
      258
    • Publisher
      小学館
    • ISBN
      978-4-09-388844-8
  • [Book] 「奴隷制というアメリカの「原罪」をめぐる和解の難しさ」劉傑編『和解のための新たな歴史学』(担当365-381頁)2022

    • Author(s)
      前嶋 和弘
    • Total Pages
      388
    • Publisher
      明石書店
    • ISBN
      978-4-7503-5409-5
  • [Book] 「「コロナ後」のアメリカと世界」、 川上 高司、石井 貫太郎編『パンデミック対応の国際比較』(担当35-50頁)2022

    • Author(s)
      前嶋 和弘
    • Total Pages
      248
    • Publisher
      東信堂
    • ISBN
      978-4-7989-1770-2

URL: 

Published: 2023-12-25  

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