2022 Fiscal Year Research-status Report
U.S and Afghanistan - why the nation-building project failed?
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22K01385
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
嶋田 晴行 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (50568110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 正典 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (10155640)
石川 幸子 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (20906747)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アフガニスタン / タリバーン / 国連 / 米国 |
Outline of Annual Research Achievements |
タリバーンが実質的にアフガニスタンの「政権」を担うようになって1年以上が経過したが、ISによるテロ事件が多発するなど治安への懸念は深く、さらに女性の権利(特に教育を受ける機会)を厳しく制限する方針を打ち出すなど、その状況は決して安定したものと言えない。そのような状況から、いまだに(2023年4月現在)タリバーンをアフガニスタンの正式な政権として承認している国家、国際機関は皆無である。そのような不透明な現状と見通しの中で、本研究の初年度である2022年度は、当初計画にあるアフガニスタンの政治・経済および支援動向、タリバーンの思想、平和構築および難民問題という各分担に沿って、文献・データ収集を進めた。他方で、治安状況と政情の不安定さらにコロナ禍から、現地渡航が引き続き困難であるアフガニスタンの現状把握のために、研究者のみならず一般の聴衆も対象にしてのセミナー、講演会を実施した。そこでは、特に国連(国連アフガニスタン支援ミッション、以下UNAMA)においてアフガニスタン支援の最前線かつ中心にいた人材(元国連事務総長特別代表およびUNAMA代表)を招き、2021年8月のタリバーンの政権掌握後の動き、現状、そして国際社会との対話と和解への可能性などの今後の見通しなど議論した。その成果は一般向けの書籍として刊行された。さらに現地におけるタリバーンとの日々の交渉の様子などは貴重な情報であることから、その記録は学術雑誌への公開(2023年度に刊行予定)される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度途中まで続いたコロナ禍で、海外への渡航は実施できなかったが、研究期間の初年度ではあるが書籍の刊行やセミナーを開催するなど一定の成果を発信している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の分野に基づき、各人が日本国内外での調査・分析を進めていく。特に研究代表者は2023年8月から2024年3月まで、米国ワシントンDCにあるアメリカン大学へ本務校からの交換教員として派遣予定であり、現地にある政府機関、国際機関(国連、IMF、世界銀行)、研究機関(大学、シンクタンク)における資料収集、インタビューを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響が2022年度半ばまで続いたことに加え、出張予定であったカタールのドーハで11月にサッカーワールドカップが開催され、航空運賃・宿泊費用が極めて高騰したことで出張を延期したため海外旅費の支出がなかった。23年度には当初計画にあった、カタール(ドーハ)、トルコ、その他の関係国へアフガニスタン情勢、平和構築、移民・難民関連の資料収集のために海外出張を予定している。
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