2022 Fiscal Year Research-status Report
Declining Business Dynamism and Economic Growth: A Qualitative/Quantitative Analysis
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22K01405
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
古川 雄一 中央大学, 経済学部, 教授 (50510848)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ビジネス・ダイナミズム / 経済成長 / インフレーション / 参入・退出 |
Outline of Annual Research Achievements |
(コロナ禍前において) 世界的に観察されている停滞するビジネス・ダイナミズムの決定要因とマクロ経済に対する影響について, 研究を開始した. クロスカントリーデータによって, インフレ率と参入・退出率の正の相関を確認したうえで, 低インフレが低参入率・低退出率を引き起こす理論的なメカニズムを検討すべく, あらたな理論モデルを開発・精緻化した. 具体的には, Romer (1990, JPE) によるイノベーションに基づく成長モデルに, 金融政策の役割を導入した Chu and Cozzi (2014, IER) モデルに, 内生的な企業の参入活動と内生的な退出活動を組み込んだ, 新たな動学的一般均衡モデルを構築した. このモデルにおける定性・定量分析によって現時点までに得られた結果によると, 企業の参入費用が十分に高い場合, 低インフレ率(あるいは低名目金利)が参入率・退出率の低下 (ビジネス・ダイナミズムの停滞) を引き起こす可能性がある. また, 企業の参入・退出のダイナミズムをより正確に理解するためには, 景気循環が発生する理論モデルを利用することが望ましい点にも注目し, 本計画の新たな展開の1つとして, 技術革新と景気が変動するイノベーション・サイクルモデルに関する研究も行っている. これまでのところ, 歴史的に繰り返される産業革命のような超長期的な視点からイノベーション・技術革新の循環をとらえた理論モデルの構築を行った. 次年度以降, 理論・実証両面から, 技術革新の波を, 企業の参入・退出のダイナミズムに関連付けていく計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的に対応した新しい経済モデルを, プロトタイプではあるが構築し, モデルに基づいた理論結果を導出できているので, プロジェクト初年度としては, おおむね順調に進捗しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは, 現在進行中の金融政策がビジネス・ダイナミズムに与える影響に関して得られた理論・実証結果をまとめなおした論文を執筆する. 同時並行して, 金融政策以外の要因も含めた分析に拡張していく予定である. 現時点では, 技術進歩の循環 (イノベーション・サイクル)や文化的選好の役割を検討する方針である. それらの要因に基づいて理論モデルを拡張し、理論・実証両面からビジネス・ダイナミズムの決定要因について、経済成長論の文脈から研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
ひきつづきコロナ禍によって, 研究活動が平常時のように進まなかったことが原因である. たとえば, 海外の共同研究者との打ち合わせにかかる金銭的・制度的な負担は平常時よりも大きく, 対面での打ち合わせを email や zoom によって代替していたため, 予定通り予算執行が進まなかった.
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Research Products
(2 results)