• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

日本近代経済学発展史における北海道経済学界の位置づけ:「早川文庫」を手がかりに

Research Project

Project/Area Number 22K01418
Research InstitutionMiyagi University

Principal Investigator

宮崎 義久  宮城大学, 事業構想学群, 准教授 (60633831)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 江頭 進  小樽商科大学, 商学部, 副学長 (80292077)
生垣 琴絵  日本大学, 法学部, 講師 (90646093)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywords早川三代治 / 小樽商科大学 / 北海道大学 / 大西猪之介 / 有島武郎 / 高岡熊雄 / 森本厚吉 / 手塚寿郎
Outline of Annual Research Achievements

近代経済学(非マルクス経済学)者たちの学術的な交流や研究者ネットワークを明らかにすることは,日本における経済学の制度化および導入過程を描くうえで重要なテーマである。本研究では,小樽商科大学附属図書館の早川文庫に所蔵された書籍および新規に寄贈された資料等を手がかりとして,明治後期から昭和中期にかけて,北海道を拠点として活躍した経済学者たち(北海道経済学界)を対象としていくつかの課題に取り組んでいる。
本年度は,北海道経済学界,とりわけ北海道帝国大学と小樽高等商業学校を中心として,早川三代治に影響を及ぼした経済学者たちをとりあげ,それぞれの業績や成果ならびに影響関係について整理する作業を進めてきた。早川三代治が学生時代を過ごし,欧州留学から帰国後に職を得た北海道帝国大学では,有島武郎,森本厚吉,高岡熊雄といった人物から多くの影響を得ていることが分かった。当時の北海道帝国大学は,米国経済学・ドイツ歴史学派・社会主義の3つの流れが混在していた。他方で,小樽高等商業学校の関係者として,大西猪之介,手塚寿郎,南亮三郎といった人物たちの交流が浮かび上がってきた。当時の小樽高商は,大西および福田門下の手塚の流れをくみつつも,早川が異彩を放っていた。
このように,早川は北海道経済学界においても異質な経済学者でありながら,北大と小樽高商とをつなぐ重要な役割を果たしていたと考えられる。今後は,その関係者たちについて詳細を明らかにしていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

早川三代治を中心とする北海道経済学界関係のネットワークについて,本年度はその全体像をおおまかに明らかにすることができたところは大きな成果である。しかしながら,その全体を整理するにつれて,膨大な資料および関係者のつながりが明らかとなり,本研究における対象を絞り込むという困難に直面することになった。本年度は,資料整理と併行して,全体像を明らかにするだけにとどまり,次年度以降の対象を明確にするところまで十分な作業が進められなかった点が挙げられる。研究期間内において,取り扱うことができる対象範囲について,優先順位を決めていくことが不十分であったことが反省点である。ただし,ある程度の関係者およびネットワークの強度について,分類が少しずつは進んでいることから,今後の研究において,これらの遅れを取り戻していきたい。

Strategy for Future Research Activity

今後は,これまでに整理した内容を踏まえて,北海道帝国大学と小樽高等商業学校の関係者を中心に,早川三代治との関係ならびに北海道経済学界への影響を明らかにする。なかでも,北海道帝国大学のその時代の校風や学び,とりわけ当時の経済原論をはじめとする経済学関係の受講ノートの存在が明らかになっている。それらの内容をいくつか丁寧に読解することで,学生たちが経済学をどのように学習し,それを研究活動にどのように展開したかを知るきっかけとしたい。また,小樽高等商業学校における経済学の中心となった大西猪之介の功績や影響が現在のところ十分に明らかにされていないことから,大西の業績を中心に読解していく。また,研究者ネットワークや資料整理などは今後も継続的に進めていき,それぞれの関係性についてさらに深掘りしたい。

Causes of Carryover

分担者らとの都合が合わず,必要な研究打ち合わせや調査出張などの時間を十分に確保することができなかったほか,物品などの購入も検討にとどまってしまった。次年度の研究において,計画的に使用していく予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 経済思想史研究でのデータサイエンス -テキストマイニングを中心に-2023

    • Author(s)
      江頭進
    • Organizer
      国立大学図書館協会総会第70回研究集会
    • Invited
  • [Presentation] 経済学者としての米田庄太郎 ─数理経済学派の方法論をめぐって─2023

    • Author(s)
      宮﨑義久
    • Organizer
      経済学史学会北海道部会2023年度第2回研究報告会(於北星学園大学)

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi