2022 Fiscal Year Research-status Report
災害・危機下における選好の変化とそのメカニズムの解明に向けた実証研究
Project/Area Number |
22K01434
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
芦田 登代 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任助教 (80724898)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 康幸 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (40322078)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 現在バイアス / アンケート調査 / 新型コロナウィルス / 健康 / 独裁者ゲーム / 最後通牒ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新型コロナウィルス感染症の蔓延による2020年4月の緊急事態宣言前と後をまたいだ2時点の情報を収集することによって、新型コロナウィルスパンデミックへの災害としての曝露の程度を把握できるような諸指標を検討・構築する。そして、変化の情報を利用した因果分析を行うものである。2022年度には、複数の研究者と数度にわたって調査票の構成や指標についてディスカッションしつつ調査票を作成し、当初の予定通り2022年秋に調査を実施した。この調査は、65歳以上の高齢者を対象として実施する「健康とくらしの調査」である。日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study:JAGES)と共同で実施し、その一部に本研究に関する設問を追加した。新型コロナウィルス感染症前後の変化が把握できるように、2019年調査で質問した時間選好の質問(Ashraf, N., Karlan, D., & Yin, W. (2006)等で用いられた方法)等を2022年調査でも同様の質問をした。調査票の回収は順調に進み、およそ55%が回収された。本調査で追加した設問は、別途行う予定である経済実験の指標とも比較して検証の予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、順調に進展している。2022年度のデータ収集は順調に進み、その後もデータ入力等が滞りなく進められている。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査データのクリーニングや新型コロナウィルス感染症発生前に収集したデータとの結合を行い、パネルデータの構築を行う。そして、コーディングや、関連要因に関する分析に着手する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の蔓延による影響で出張がキャンセルになったため未使用額が生じたが、次年度以降の学会での研究報告に充当する予定である。また、調査委託費については、調査を複数の機関と実施したことから、想定していたよりも参加機関あたりの調査実施費用が少額であったことも未使用額の要因の1つである。そのため、次年度のデータセット構築関連の委託費として使用する予定である。
|