2023 Fiscal Year Research-status Report
災害・危機下における選好の変化とそのメカニズムの解明に向けた実証研究
Project/Area Number |
22K01434
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
芦田 登代 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 特任助教 (80724898)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 康幸 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (40322078)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 利他性 / 現在バイアス / アンケート調査 / 高齢者 / 社会関係資本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新型コロナウィルス感染拡大前のデータをベースラインとして、追跡調査を実施し、そして、先延ばし行動と関連する現在バイアス(目先のことを優先する傾向のこと)などの選好の変化やその異質性について検証を行うものである。2023年には日本老年学的評価研究機構(JAGES)に委託して、ある1保険者に限定した2019年と2022年のパネルデータの構築を行った(研究に同意していない人のデータは削除済み)。データは、65歳以上の要介護認定を受けていない高齢者対象を対象とした自記式質問紙調査によって実施されたものである。データクリーニングについても行われた。パネルデータは、2019年と2022年の両方に回答したデータ、さらに2019年、2022年のどちらか片方でも回答したデータも含まれて構築されている。2019年調査回答者は7,530名、2022年調査回答者は6,827名、両調査ともに回答した者は5,093名であった。そして、それと並行して収集していたデータとあわせて推定したところ、例えば「現在バイアス」については、ほぼ1という結果が得られ、後悔しない選択をしている傾向が確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の主たる目的はパネルデータの構築とデータ分析のための文献・情報収集であった。主たる目的は達成し、予備的な解析も実施することもできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
データ解析を進めて可能な限り因果効果を推定し、学会や研究会での成果報告を重ねていく予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス蔓延のために実施できなかった調査を別途、平行して実施することになった。そのため、本研究の方の論文執筆の時間がなかなか取れず、その分の研究成果発表や英文校閲費用が未使用分として残った。次年度にはいくつかの国際学会での報告を予定しており(既に応募済み)、2023年度未使用分を使用して英文校閲や論文発表を行う。
|