2022 Fiscal Year Research-status Report
Country- and sector-specific trade liberalization and global economic growth: asymmetric two-country directed technical change models
Project/Area Number |
22K01448
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内藤 巧 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80314350)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 国及び部門特殊的な貿易自由化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,基本モデルの完成に注力した. 論文``Country- and sector-specific trade liberalization, directed technical change, and long-run growth''では,国及び部門特殊的な貿易自由化が世界的な経済成長に与える影響を調べるために,Acemoglu (2002)の1国有向技術変化(directed technical change, DTC)モデルに,熟練労働と非熟練労働のいずれかの生産性を高める差別化された機械を貿易する2つの国を導入する形で拡張した.2種類の労働間の代替弾力性が1より大きいとき(そしてそのときにのみ),ある国のスキルプレミアム(熟練労働の非熟練労働に対する相対賃金率)は貿易相手国による熟練労働増加的機械部門の貿易自由化により高まるが,自国による同部門の貿易自由化により低まることが分かった.対照的に,均斉成長率は任意の国・部門における貿易自由化により高まることも分かった.対称的な均斉成長経路の周りで得られた以上の定性的結果は,現実のデータを再現する非対称的な均斉成長経路の周りでも同様に得られることも分かった. 本論文は,2023年8月末にスペイン・バルセロナのBarcelona School of Economicsにて行われるEuropean Economic Association (EEA) 2023 Annual Congressに採択され,発表される予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,(i)基本モデルの構築,(ii)解析的結果の導出,(iii)exact hat algebraによる数値計算,(iv)拡張による頑健性チェック,という4つのステップを踏み,研究を進めることが計画されていた.このうち,ステップ(iii)までは一応の結果を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,4つのステップのうち(ii)解析的結果の導出と(iii)exact hat algebraによる数値計算の部分を磨くと共に,(iv)拡張による頑健性チェックに進みたい.具体的には,第一に機械部門に企業異質性を導入すること,第二に貿易費用に輸入関税を追加することを考えている.
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Causes of Carryover |
本年度は基本モデルの作成に注力していたため,学会発表を次年度以降に回した.また,既存のPCが十分使用に堪えたので,PCの更新も後回しにした.首尾よく次年度EEAでの国際学会発表に採択されたので,外国旅費を支出する予定である.また,必要に応じてPCの更新も行う.
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